レビュー
Rapha








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なぜ今年の移籍市場に異常が発生しているのか?その異常性の内容とその原因について。
今年の移籍市場は、契約がまだ残っていたにもかかわらずレムコ・エヴェネプールとフアン・アユソーがそれぞれRed Bull-BORA-hansgroheとLidl-Trekへ移籍するというビッグニュースが続いた。
そうした点で今年の移籍市場は特徴的だが、同時にUCIルールの変更という点でも今年の移籍市場は特徴的だ。その点については少し前に「今年はなぜ移籍市場が静かなのか?移籍に関するUCIルールの変更点とは?」という記事で紹介したので、再び読んでいただきたい。
だがそれらに加えて今年の移籍市場にはある1つ異常性がある。すなわち移籍市場の長期化だ。
今年の移籍市場で長期化という異常をもたらす要因は2つある。1つはArkéa–B&B Hotelsの解散がほぼ確実であろうこと、そして2つ目はIntermarché-WantyとLottoの不確実性だ。
そしてこれら両方について現時点でも大きな(良くも悪くも)進展があったとの情報が全く流れてこない。
来年度のチームライセンスに関する手続きとしてUCIルール上は10月1日(第1締め切り)までに、来年度からの保証金を銀行に預け、その証拠をUCIに提出しなければならない。その保証金がいざというときの選手の給料などの保険になる。
そのうちUCIからこの第1締め切り期限に必要書類などを提出したチームのリストが発表されるだろうが、そこにArkéa–B&B Hotels、Intermarché-Wanty、Lottoの名前があるのだろうか。
Arkéa–B&B Hotelsの幹部は以前から「10月1日までに進展がなければ、チームの運営は停止するだろう」と述べていたのだが、上述のように明るいニュースはこれまでのところ流れてきていない。そこで同チームの解散はほぼ確実だと思われる。
ワールドチームとしてのArkéa–B&B Hotelsが消滅すれば、引退1名とすでに移籍が決まっている6名を除いた20名の選手たちと多数のスタッフが職を失う。さらに女子チームと育成チームも消滅することとなり、それらの選手や関係者も含めると100名近い人間が失業すると考えられる。
また上述のようにIntermarché-WantyとLottoの合併話についても良い意味での進展があったとの情報も流れてきていない。裏ではいろいろ進んでいることが多いだろうが、良いニュースがその煙すら立たないという現状は心配になる。
これら2つの事情が今年の移籍市場を長期化させる要因となっている。なぜならArkéa–B&B Hotels、Intermarché-Wanty、Lottoの3チームに所属していた優秀な人材が移籍市場に放出されるわけで、他チームとしてはそうした人材を獲得したい。
しかも他のチームからすれば、移籍市場が終盤に差し掛かるほど足元を見ることができる。買い手市場に近づく。雇ってほしい選手たちからすれば契約金・年俸などが安くなってもいいからとにかく契約してほしいという気持ちがあるからだ。
選手からすれば早く契約をもらいたいが、各チームからすれば移籍市場が終盤になればなるほど有利な条件で契約できる。
だが同時に、最近はワールドツアーレベルの有力選手・有名選手がProTeamへと移籍することも普通となっている。トム・ピドコック、ジュリアン・アラフィリップなどがまさにその代表だ。
そうした場合はワールドチームよりも年俸は低くなるだろうが、それを容認しても良いだけの魅力がProTeamにあるということになる。
そこでワールドチーム同士での選手獲得競争にとどまらずProTeamも競争相手となり、近年は獲得競争の複雑さが増していると思われる。あまりのんびりしているとProTeamに奪われる可能性も高くなる。
当然裏ではいろいろ交渉が進んでいるだろうが、そうはいっても、それら3チームの未来が法律上もきっちりと確定しなければなかなか手を出せない。法律紛争に巻き込まれると厄介なことになるからだ。
このように、契約をどれだけ有利に進められるかという点、プロチーム同士のせめぎあいという点、法律上の問題点の解決の必要性という点、これら3つの事情が相互に絡み合っていることが、今年の移籍市場をこれまでよりも複雑にさせ、そして長期化という異常性をもたらしていると考えられる。
そしてまた衝撃の移籍ニュースが…(レムコの移籍よりも驚き)
いやー今年の移籍市場はビッグニュース続くブヒね。まさかMovistarとは。
レムコは散々前から騒がれてたからファンも心の準備ができていたけど、今回はいきなりきたブヒね。