レビュー
Rapha








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イサーク・デル・トロが今年のジロ第20ステージのUAEの作戦について苦言。もう少しやりようがあったと主張
突如メキシコから生まれた21歳のUAE Team Emirates – XRGの超新星、イサーク・デル・トロ(Isaac Del Toro)。今年は年間18勝と勝ちまくり、先日はメキシコ選手権で個人TTとロードレースの二冠に輝いた。
その結果UAE Team Emirates – XRGはチームとしても年間97勝を積み上げるというとんでもない記録を打ち立てた。
そんなデル・トロを語るときにおそらく最も話題となるであろう勝負が、今年の2025ジロ・デ・イタリア第20ステージだろう。
この第20ステージでは超難関峠のフィネストレ峠が登場。その時点で総合首位のデル・トロ、2位のリチャル・カラパス(Richard Carapaz)、3位のサイモン・イエーツ(Simon Yates)の争いだった。
まずそのフィネストレでしかけたのがカラパス。デル・トロは長い登りになることがわかっていたのですぐには反応しなかった。そしてしばらくして再びその3名は合流するも、そこからイエーツがアタック。これにカラパスとデル・トロは牽制しあって反応せず。
結果イエーツの独走と、そのチームメイトで先行していたワウト・ファン・アールトとの合体をみすみす許してしまった。イエーツは強力なワウトの牽引をもって後方の2名に大きなタイム差をつけることに成功。見事に逆転でマリアローザを奪取したという、歴史に残る神展開の1日だった。
その日からしばらくイエーツを見逃したカラパスとデル・トロのその作戦・走り方について大きな論争となった。
レース後カラパスは「デル・トロにやる気なかったんやろ」という呆れたような、突き放したような態度だったのが印象的だった。
一方で世間から作戦ミスだと批判されたUAE Team Emirates – XRGは、イサーク・デル・トロがペース配分を間違って限界を超えてしまい総合2位すら失ってしまうという最悪の事態を想定し、それを避けることを最優先していたということが明らかになった。
だがこのUAEのチームカーの考えに対して今回イサーク・デル・トロは「サイモン・イエーツとワウト・ファン・アールトが合流したことをもっと早く自分に伝えるべきだった」と苦言を呈する。
情報源:Isaac del Toro critical of team managers as he reflects on losing Giro d’Italia
まずデル・トロはその第20ステージでの自分の走り方について次のように話す。
“Carapaz had shown the best legs in the race, so on the radio they told me to watch him. I think I’d do it differently now, but I made mistakes, some down to inexperience.”
訳「カラパスがその日最強の脚を見せつけとき、チームカーからの指示はカラパスをしっかりマークしろとの内容だった。今ならば違った走りをしただろうけど、そのとき自分はミスをしたわけ。多少は経験不足のせいやね」
デル・トロがGCNスペインに語ったところによると、サイモン・イエーツがデル・トロらに対して55秒差もつけた時点でUAEチームカーからそのことが伝えられたらしい。そのときの状況をデル・トロはこう振り返る。
“That shocked me. They should’ve told me about Van Aert when he had ten seconds, and I’d have said: let’s attack, let’s try,”
訳「そのチームカーから伝えられたことに衝撃を受けたね。チームが自分にそれを言うべきタイミングは、ワウト・ファン・アールトが残り10秒でサイモン・イエーツと合流するというときだったはずで、そうしていたら自分もアタックをしかけイエーツを追いかけると主張したわ」
もちろんデル・トロ自身もUAEのチームカーが何を心配し何を恐れていたのかは理解している。しかしそれでも彼としてはそのときマリアローザのためにできるだけのことをしたかったのだろう。
最初から諦めるのではなく、苦しい状況でもある程度状況をコントロールしながらもう少し上手くやれた可能性はあったということだろう。
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