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ツール・ド・フランス2026がポイント賞ルールを大幅変更!スプリンター有利へ、グリーンジャージ争いは新時代に突入
昨年のツール・ド・フランスではスプリンターのための栄誉であるグリーンジャージことマイヨ・ヴェールをLidl-Trekのジョナタン・ミランが手にした。
しかし、その2位はタデイ・ポガチャルだった。両者の差は僅差とは言えないものだが、それでもポガチャルがポイント賞を取ることも十分あり得たレベルの差でしかなかった。グランツール総合優勝者が総合優勝と同時にポイント賞まで手に入れてしまえる可能性があったわけだ。
ツール・ド・フランス主催者側はさすがにそれは不味いと思ったのか、今年のツールでは平坦ステージの優勝者に与えられるポイント数に変更が加わる。
ツール・ド・フランス主催者ASOは、2026年大会からポイント賞(グリーンジャージ)の配点ルールを変更することを正式に発表した。
今回の改正で最も注目されるのは、平坦ステージの勝者に与えられるポイントが従来の50点から70点へ増加する点だ。
これにより、近年は総合系ライダーやパンチャーにも獲得の可能性が広がっていたグリーンジャージ争いが、再び純粋なスプリンター中心の戦いへと変化する可能性が高まる。
ポイント賞は本来、ツール・ド・フランスにおけるスプリンターのための特別賞として位置付けられてきた。
しかし近年はコース設計や配点構造の変化により、総合優勝を狙う選手でも上位争いに加わるケースが増えていた。その象徴が上述の2025年大会であり、タデイ・ポガチャルだ。
Lidl-Trekのジョナタン・ミランがグリーンジャージを獲得した一方で、総合優勝争いを展開したタデイ・ポガチャルがポイント賞ランキング2位に入った。山岳ステージや丘陵ステージでも大量得点できる現在のシステムでは、総合系ライダーがスプリンターにポイント賞で勝てる状況が生まれていた。
この状況を受け、ASOは「スプリントステージの価値」を高める方向へ舵を切ったとみられる。
2026年大会では以下のようなポイントシステムになる。
これにより、平坦ステージと丘陵ステージの価値に明確な差が生まれることになった。
特に今年のツールには7つの平坦ステージが設定されており、そのうち5ステージで勝者に70ポイントが与えられる予定だ。つまり、スプリンターにとってはステージ優勝そのものの価値が大幅に高まることになる。
今回のルール変更によって最も恩恵を受けると考えられるのは次のようなピュアスプリンターたちだろう。
2025年グリーンジャージ獲得者。圧倒的なトップスピードと安定感を持ち、今年も最有力候補の一人となる。
2023年のグリーンジャージ獲得者。2025年大会では落車リタイアにより争いから脱落したが、再びタイトル獲得を狙う。
2024年グリーンジャージ獲得者。スプリントだけでなく丘陵ステージでも得点できる万能型であり、新制度下でも有力な存在となる。
もうベテランと言える年齢に入っているが、それでもの現在のプロトンでも屈指の純スプリンター。絶対的総合エースだったレムコ・エヴェネプールがいなくなったSoudalーQuickStepは、ステージ優勝狙いに集中できることになり、また今回のルール改正で平坦ステージの重要性が高まるため、これまで以上にポイント賞争いへ集中できる環境が整う。
今回の変更によって、総合優勝候補がポイント賞を狙う難易度は高くなる。
もちろん中間スプリントや丘陵ステージでの得点は依然として重要だが、平坦ステージで70ポイントが設定されたことで、スプリンターが一度ステージ優勝すれば大きなアドバンテージを得られるようになった。
そのため、ポガチャルやマチュー・ファンデルプールのような万能型選手がグリーンジャージ争いに加わる余地は残されているものの、以前より厳しい戦いになると予想される。
今回の配点変更は単なるルール改正ではない。
これはツール主催者ASOが、
という明確なメッセージを発したことを意味している。
近年のツールでは総合系ライダーの支配力が強まっていたが、2026年大会では久々に「純粋なスプリンター同士によるグリーンジャージ争い」が展開される可能性が高い。
ジョナタン・ミラン、ヤスペル・フィリプセン、ティム・メルリール、ビニアム・ギルマイらによる激しいポイント争いは、総合優勝争いと並ぶ大きな見どころとなりそうだ。
タデイ・ポガチャルがUAE Team Emirates – XRGという最強チームの力を背景に、ツールの絶対的支配者としてすべてを手に入れてしまうような大会になってしまうとツールの面白さが明らかに減少してしまう。そんな「ワン(One)強」となってしまうとツールの価値そのものが毀損されてしまい、ツール人気の衰退を招くことにつながりかねない。
様々なタイプの選手に光があたることでレース展開の複雑姓・ドラマ性が高まり、ツールの面白さが増大するわけであり、いわば多様性がツールにとって重要だということだ。
今回のルール改正はそうした多様性を確保し、ツールのおもしろさを向上させようとするものと言える。