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史上最速を謳うSpecializedの新Tarmac SL9が発表
2023年8月に発表されたTarmac SL8から約3年、Specializedからついにその新型フラッグシップバイクとなるS-Works Tarmac SL9が正式に発表された。同ブランドはこの新型モデルについて、「これまで作られた中で最速のロードバイク」と謳う。
まずは次のPVを見て欲しい。
最大の特徴は、軽量性と空力性能を同時に高めた点にある。
Specializedによれば、今回のS-Works FACT 12rカーボンフレームの重量は最軽量カラーの56cmサイズで687g。完成車重量は最軽量構成で6.5kgとされおり、UCIのレース使用下限重量である6.8kgを下回る水準となる。
新型Tarmac SL9は前作Tarmac SL8と比べて、45km/h走行時に 4ワット分のエアロ性能の向上があるとされる。
Specializedはさらに、2024年ツール・ド・フランス・ファム最終ステージの最後80kmを例にして、SL9ならSL8より14秒速かったというシミュレーション結果も述べる。
Specializedは、SL9の速さを単なる空力数値や重量だけでは説明していない。今回強調されているのがTime to Finishという考え方だ。
これは、単なる風洞実験での結果だけでなく、空力、重量、転がり抵抗、路面状況、風、ライダー出力、疲労、ポジションなどを統合的に考慮、つまり実際のコースやレース状況に近い条件で「どれだけ速くゴールできるか」を重視してシミュレーションする評価手法だ。
Specializedは、この手法によってColnago Y1Rs、Cervélo S5、Factor Oneなどの競合エアロロードと比較し、コース条件によって差は変わるものの、Tarmac SL9が優位に立つと説明している。
空力面では、フレーム各部が大きく見直された。
まず、特徴的な Speed Snifferヘッドチューブは継続しつつ、従来より4mm細くなり、前面投影面積を10%削減した。
また内部ケーブル処理のスペースを確保するため、リアブレーキホースをステアラー右側に通すOffset Steerer構造も採用されている。
さらに、ダウンチューブ、フォーク、ヘッドチューブ周辺の隙間を詰めることで、フロントタイヤ周辺の乱流をより抑える設計に。
特にフロント周りのエアロ性能の向上としてブレクスルーとなったのが、フォークブレードを外側へねじるような(?)形状としたことだ。前輪から発生する空気の流れをより効率よくフレーム側へ導くとのこと。
リア側の設計においては、実際のレースの逃げ集団ではボトル1本で走る状況が多いという実戦データをもとに、シートチューブとリア三角周辺の空力を再設計。Specializedはこの部分をWin Finと呼び、0.5ワットの削減効果があるとしている。
軽量化についてはAethosにも通じる設計思想を取り入れ、必要な部分にだけカーボンを配置することで、余分な素材を削減している。
フレーム重量は687gと軽いが、SpecializedはTarmac SL8と同等の剛性・快適性を維持したと説明する。また、44〜61cmの各サイズで専用レイアップを採用し、サイズごとの走行感のばらつきを抑えている。
ジオメトリーは基本的にTarmac SL8と同じだが、54cmサイズのみ前輪とつま先のクリアランスを改善するため、フォークオフセットとヘッドチューブ角に変更が加えられている。
現時点で発表されたのは最上位モデルのS-Works Tarmac SL9のみで、完成車はShimano Dura-Ace Di2仕様とSRAM Red AXS仕様が用意される。今後Campagnolo仕様も出るのかは不明。
いずれもRoval Rapide CLX IIIホイールとRoval Rapide Cockpitを装備し、タイヤはSpecializedの30mm Cotton TLRを標準装備(最大32mm幅まで対応)。
Red Bull-BORA-hansgroheなどのプロチームレプリカカラーモデル以外の価格はUK市場では11,999ポンド(約257万円)。フレームセットは5,249ポンド(約113万円) となる。
この記事を書いている時点ではSpecializedの日本公式サイトにSL9の情報は掲載されていないが、しばらくすれば公式サイトも更新され日本市場向けの価格も含めて詳しい情報が掲載されるだろう。