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ミゲル・アンヘル・ロペスの上訴棄却。2022ジロ・デ・イタリアでのドーピング容疑について

ミゲル・アンヘル・ロペスのドーピング上訴棄却。4年間の資格停止と罰金が確定

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かつてスーパーマンの異名をもち、Astanaで走っていたコロンビア人クライマー、ミゲル・アンヘル・ロペス。そのドーピング違反をめぐる処分の取り消しを求めた上訴がスイス連邦最高裁判所によって棄却された。

これにより、2027年7月24日までの4年間の資格停止、2022年5月から2023年7月までの成績抹消、2022年の自転車競技収入の70%に相当する罰金が最終的に確定した。

UCIは今回の裁判所の判断について、

The case is now definitively closed.

訳「この事件はこれで完全に終結した」

このよう歓迎する声明を発表している。

UCI公式:UCI statement concerning Miguel Ángel López

スイス連邦最高裁がロペスの訴えを棄却

ミゲル・アンヘル・ロペスは、2022年ジロ・デ・イタリアの開催時期に禁止物質メノトロピンを使用・所持したとして、2024年5月にUCI反ドーピング裁判所から処分を受けた。

→UCIがミゲル・アンヘル・ロペスに4年の出場禁止処分を下す。2022ジロ・デ・イタリアでのドーピング疑惑について

ロペスはこの判断を不服としてCAS(スポーツ仲裁裁判所)に上訴したが、CASは2025年5月7日にUCI反ドーピング裁判所の判断を全面的に支持した。

その後、ロペスはCASの裁定をスイス連邦最高裁判所に持ち込んだ。しかし、同裁判所は2026年8月19日付の判決でロペス側の主張を退けた。

ロペスに残されていた法的手段による処分取り消しの試みは失敗に終わり、ドーピング違反に対する制裁が確定したと思われる。

確定したロペスへの処分内容

今回の判決によって確定した処分は次の3点だ。

  • 2023年7月25日から2027年7月24日までの4年間の資格停止
  • 2022年5月3日から2023年7月25日までに獲得した全成績の抹消
  • 2022年に自転車競技から得た総収入の70%に相当する罰金

ロペスは早くても2027年7月25日以降でなければ、UCI公認レースに復帰できない。

罰金額そのものは公表されていないが、年間収入の70%という非常に重い経済的制裁となる。

UCIの反ドーピング規則では、選手が意図的に違反した場合、通常の資格停止処分などに加え、違反が発生した年の自転車競技収入の70%に相当する罰金を科すことができるとされている。

決定的証拠となった「イレックス作戦」の捜査資料

ロペスの処分につながった証拠は、スペイン治安警察とスペイン反ドーピング機関(CELAD)から、国際検査機関(ITA)へ提供された。

これらの証拠は、スペイン人医師マルコス・マイナルをめぐる「イレックス作戦」と呼ばれる捜査で得られたものだった。この捜査では、公衆衛生に危険を及ぼす可能性のある未承認医薬品の違法流通が調べられていた。

→【!?】違法薬物取引容疑でミゲル・アンヘル・ロペスが身柄拘束

→アスタナがミゲル・アンヘル・ロペスを解雇。例の密輸事件の医師との関係が問題に。

証拠には、2022年ジロ・デ・イタリアの開催時期に、ロペス宛てとされたメノトロピン入りの小包が押収された事実も含まれていた。

メノトロピンは不妊治療などに使用されるホルモン製剤で、WADA(世界アンチ・ドーピング機構)の禁止表では、S2.2「ペプチドホルモンおよびその放出因子」に分類されている。男性選手が使用した場合、テストステロンの生成を促す目的で悪用される可能性がある。

ロペス側は証拠の扱いと高額罰金を問題視

ロペス側は、CELADから提供された証拠に基づいて処分を決定したことや高額な罰金を科したことが、欧州人権条約上の手続的・実体的権利を侵害すると主張していた。

しかしスイス連邦最高裁判所は、CASがイレックス作戦で収集された証拠を採用したことに問題はなかったと判断した。

同裁判所は、公的機関とスポーツ統括団体との情報共有はドーピング防止を目的とする国際的な協力の方向性に合致すると指摘。スポーツ統括団体には国家機関のような捜査権や強制力がないため、公的機関の捜査結果に依存することがあるとの考えも示した。

ロペス側は証拠がスペイン法に反して取得された可能性も主張したが、裁判所は違法に取得されたことは立証されていないと判断した。

収入の70%に相当する罰金も有効と判断

スイス連邦最高裁判所は、ロペスに科された経済的制裁についても有効と判断した。

同裁判所によると、意図的に反ドーピング規則へ違反した選手から、その年に得た収入の一部を罰金として徴収することには、違反によって経済的利益を得ることを防ぐという正当な目的がある。

また、高額な罰金には違反者を処罰するだけでなく、ほかの選手による禁止物質の使用を抑止する効果もあるとした。

UCIは今回の判決について、罰金を含む反ドーピング制裁が自転車競技の公正性を守るという正当な目的を持ち、金額が大きい場合でも比例原則に適合し得ることが確認されたと評価した。

過去の栄光からの墜落。ミゲル・アンヘル・ロペスの復帰は?

スーパーマンの愛称で知られるロペスは、かつてコロンビアを代表する次世代クライマーとして期待された選手だった。

2015年にアスタナでプロデビューし、2016年にはツール・ド・スイスとミラノ〜トリノで優勝。2017年のブエルタ・ア・エスパーニャではステージ2勝を挙げ、2018年にはジロ・デ・イタリアとブエルタの両方で総合3位に入った。

2020年ツール・ド・フランスでもステージ優勝を飾ったが、2021年に移籍したMovistarでは、ブエルタ総合3位につけていた第20ステージでレースを途中棄権した。

その当時の記事が次のものだ。また読んで記憶を辿ってもらいたい。

2022年にAstanaへ復帰したものの、今回問題となった反ドーピング規則違反は同年のジロ・デ・イタリアに関連するものだった。

ロペスの資格停止期間は2027年7月24日まで続く。その時点で長期間トップレベルのレースから離れていることに加え、処分の対象となった期間の全成績も抹消される。

スイス連邦最高裁判所の判決が最終判断となったため、少なくとも今回の処分についてロペスがスポーツ仲裁やスイス国内の司法手続きを通じて覆す道は閉ざされた。

かつてグランツールの総合優勝候補と評価された「スーパーマン」だが、2027年夏以降にプロ選手として復帰できるかどうかは、極めて不透明な状況となっている。

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