獲得標高5万2230m!2024ツール・ド・フランスのコースが発表。個人TT2回、山岳ステージ7つ、32kmのグラベルも
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ついに昨夜来年度の2024ツール・ド・フランスの全日のコースが発表された。一言でいえばクライマーの祭典。逆にスプリンターにとっては悪夢のようなコースとなる。平坦ステージの数は例年通りそれなりにあるが、とにかく山岳ステージが厳しい。
以下、簡単にそのコースを紹介する。
目次
2024ツール・ド・フランスのコース概要
- 開催期間:2024年6月29日(土) ~2024年7月21日(日)
- スタート地:イタリアのフィレンツェ
- ゴール地:フランスのニース(ツール後すぐにパリ五輪が開催されるため、警備の都合などでパリの中央部が使えない)
- 総走行距離:3492km
- 総獲得標高:5万2230m
- 2回の個人TT(合計59km)
- 8つの平坦ステージ
- 4つの丘陵ステージ
- 7つの山岳ステージ
2024ツール・ド・フランスのステージ一覧
ステージ | 日時 | コース種類 | スタート地~ゴール地 | 距離 |
---|---|---|---|---|
1 | 6/29 | 丘陵 | FLORENCE ~ RIMINI | 206km |
2 | 6/30 | 丘陵 | CESENATICO ~ BOLOGNE | 200km |
3 | 7/1 | 平坦 | PLAISANCE ~ TURIN | 229km |
4 | 7/2 | 山岳 | PINEROLO ~ VALLOIRE | 138km |
5 | 7/3 | 平坦 | SAINT-JEAN-DE-MAURIENNE ~ SAINT-VULBAS | 177km |
6 | 7/4 | 平坦 | MÂCON ~ DIJON | 163km |
7 | 7/5 | 個人TT | NUITS-SAINT-GEORGES ~ GEVREY-CHAMBERTIN | 25km |
8 | 7/6 | 平坦 | SEMUR-EN-AUXOIS ~ COLOMBEY-LES-DEUX-ÉGLISES | 176km |
9 | 7/7 | 丘陵 | TROYES ~ TROYES | 199km |
休息日 | 7/8 | 休息日 | ORLÉANS | 休息日 |
10 | 7/9 | 平坦 | ORLÉANS ~ SAINT-AMAND-MONTROND | 187km |
11 | 7/10 | 山岳 | ÉVAUX-LES-BAINS ~ LE LIORAN | 211km |
12 | 7/11 | 平坦 | AURILLAC ~ VILLENEUVE-SUR-LOT | 204km |
13 | 7/12 | 平坦 | AGEN ~ PAU | 171km |
14 | 7/13 | 山岳 | PAU ~ SAINT-LARY-SOULAN PLA D’ADET | 152km |
15 | 7/14 | 山岳 | LOUDENVIELLE ~ PLATEAU DE BEILLE | 198km |
休息日 | 7/15 | 休息日 | GRUISSAN | 休息日 |
16 | 7/16 | 平坦 | GRUISSAN ~ NIMES | 187km |
17 | 7/17 | 山岳 | SAINT-PAUL-TROIS-CHÂTEAUX ~ SUPERDÉVOLUY | 178km |
18 | 7/18 | 丘陵 | GAP ~ BARCELONNETT | 179km |
19 | 7/19 | 山岳 | EMBRUN ~ ISOLA 2000 | 145km |
20 | 7/20 | 山岳 | NICE ~ COL DE LA COUILLOLE | 133km |
21 | 7/21 | 個人TT | MONACO ~ NICE | 34km |
2024ツール・ド・フランスのポイントとなるステージ
第2ステージ:ゴール前10kmに激坂
第2ステージは一見すると平坦ステージ?ようにも見えなくはない(ブエルタなら平坦ステージ?)が、丘陵ステージという設定になっている。その理由はちょこちょこ登りがあるからといえるが、特にやはり残り40kmあたりから2回登るCôte de San Lucaの登りが厄介だからだ。その登りのデータがこちら。
登坂距離こそ1.9kmと短いが最大斜度16%というパンチの効いた登りだ。ピュアスプリンターはまず遅れるだろうが、マイケル・マシューズなど登れるスプリンターならばギリギリこなせるかもしれない。逆にクライマーやパンチャーたちは、登れるスプリンターを絶対に蹴落としたい登りといえる。
ゴール前10kmあたりで最後の登りとなる絶妙な場所に配置されているので、大興奮のチェイシングゲームが見られるかもしれない。
第4ステージ:いきなりガリビエ峠!
少し前の記事「【!?】来年のツールは第4ステージでガリビエ峠?」で紹介したように、第1週目にしていきなり第4ステージでツール名物ガリビエ峠が登場する。
→過去記事:【!?】来年のツールは第4ステージでガリビエ峠?
そのガリビエ峠のデータがこちら。
登坂距離23km、平均斜度5.1%。そして標高は2642m!
標高が標高だけに酸素が薄い。つまりツール前にしっかりと高地トレーニングで低酸素に体を慣らしておかないと、このガリビエ峠で失速するだろう。今年のポガチャルのように準備不足のままツールに突入するとこのガリビエ峠で大きくタイムを失うだろう。
第9ステージ:グラベル登場!
そして第9ステージについても、「来年のツール・ド・フランス第9ステージにグラベル登場か」で紹介したように、まるで春の名物レースのストラーデ・ビアンケのようなグラベル区間が登場する。上の画像のとおり、セクター1からセクター14まで合計14のグラベル区間を選手が疾走することとなる。
天気が良ければ白い砂塵が選手の視界を奪い、悪天候ならばシクロクロスのような泥との戦いとなるはずだ。どちらになってもロードレースは地獄だぜーヒャッハー!
第11ステージ:獲得標高4350m!
そして来年のツールで3番めに1日で登る標高が多くなるのが第11ステージ。1日の獲得標高は4350m。ゴールまで残り46kmからの連続ヒルクライムは次のようになっている。
第14ステージ:トゥールマレー登場!獲得標高3900m。
そして第14ステージでも名物峠のトゥールマレーが登場。ただ最後に登場するのではなく中盤あたりでの登場となり、しかもトゥールマレー後もまだ本格的な登りが2つあるヤバイステージだ。
まずトゥールマレー峠のデータがこちら。
登坂距離19kmで平均斜度7.4%。
そして続くはラ・ウルケット・ダンシザン(Hourquette d’Ancizan)の登り。
こちらは登坂距離8.2kmで平均社度5.1%。
そして最後にプラ・ダデ(Saint-Lary-Soulan Pla d’Adet)。
登坂距離10.6km、平均斜度7.9%。この日の総獲得標高は3900m。
第15ステージ:獲得標高4850m!
そして来年のツールで最も獲得標高が多いのがこの第15ステージだ。
6つの本格的山岳が詰め込まれたこの第15ステージは、7/14のフランス革命記念日だ。その革命を象徴するバスティーユ監獄の破壊のように、エースたちは登りだらけの監獄のようなこのステージを攻撃できるか?
第19&第20:ともに獲得標高4600m!
第15ステージが上述のように来年のツールで最も獲得標高が多い(4850m)のだが、それに次いで獲得標高4600mとなるのが、第19ステージと第20ステージだ。2日連続でこれは厳しい。
まず第19ステージのコースプロフィールが次のとおり。
この第19ステージは先日紹介したように、有名スキーリゾート地イゾラ2000での山頂フィニッシュだ。
過去記事:2024ツール・ド・フランスにイゾラ2000が山頂フィニッシュで登場!約30年ぶりの復活
そして翌日の第20ステージがこのとおり。
第21ステージ:パリ~ニース名物のエズ峠個人TT!
来年のツールの最終日はパリのシャンゼリゼではなくニース。ニースといえば春の定番ステージレースのパリ~ニース。今年の2023パリ~ニースではタデイ・ポガチャル(Tadej Pogačar)とヨナス・ヴィンゲゴー(Jonas Vingegaard)がそろって出場。そして今年もその最終日にはエズ峠が登場していた。その2023パリ~ニース最終日の感想が次の記事だ。
→もうね、ほんとおかしいのよ・・・2023パリ~ニース最終日の第8ステージのハイライトと結果
このときは個人TTではなく普通のロードレースだったが、タデイ・ポガチャルが圧勝したが、はたして個人TTとなる来年はどうなるか?
2024ツール・ド・フランスの賞金総額
賞金総額は約230万ユーロ(約3億6520万円、2023/10/26時点の為替)