レビュー
Rapha




Enter your email address below and subscribe to our newsletter

ついに今夜クイーンステージ。2025ツール・ド・フランス第18ステージのコース・レースのプレビューと優勝予想

ついに今日・明日の2日間で2025ツール・ド・フランスの最終決戦となる。その舞台はアルプス。今日の第18ステージと明日の第19ステージともに山頂フィニッシュだ。
そして今日は走行距離171.5km、獲得標高5450mの今大会最難関ステージ(クイーンステージ)となる。またフィニッシュラインの標高も今大会最高で2304m。もちろんそこはロードレースファンおなじみのロズ峠だ。距離26.4km、平均斜度6.5%。
ご覧のように超級山岳が3つ登場するだけのシンプルなコースレイアウト。
ボブ「ね、簡単でしょ?」
ロズ峠といえば2023年ツール・ド・フランス第17ステージでポガチャルがヴィンゲゴーから大きく遅れた峠だ。脚に力が入らずライバルから遅れ苦しんでいたポガチャルがチームに向かって発した言葉が、
I’m gone, I’m dead
これは今もみんな覚えているだろう。このときのツールを伝えたのが次の記事だ。
これまでポガチャルは2023年ツールの敗戦を受けて確実にパワーアップし、数々のリベンジを果たしてきた。そして2023年のそのときと今は総合タイムという観点でも全く状況が異なり、ポガチャルがヴィンゲゴーらに対して圧倒的優位な立場にある。
そのため仮にヴィンゲゴーから最後の最後で遅れたとしても、無理する必要のないポガチャルはマイペースで登り続けて少しの遅れで終えればいい。総合優勝という観点ではそれで十分だ。そのため無茶しまくっていた2023年のようにいきなり大きく崩れるとは考えられない。
今日のレースのポイントは3つだろうか。まずはこのようにヴィンゲゴー対ポガチャルの争い。次に大逃げが決まるかどうかとステージ優勝争い。最後に山岳賞争い。
特に山岳賞争いでいうと今日のロズ峠フィニッシュは今大会最高標高なので山岳ポイントが2倍の40ポイント得られる。
昨日終了の段階で山岳賞1位はタデイ・ポガチャル、2位にレニマルことレニー・マルティネス。だが実は両者のポイントは60ポイントで同数。3位のテイメン・アレンスマンも48ポイント。理のヨナス・ヴィンゲゴーも45ポイント。このように上位陣には山岳賞の可能性がある状態だ。
そこでかなりの確率で今日レニマルとアレンスマンが逃げに乗る・・・と言いたいところだが、その場合プロトンが逃げを容認しないと最後のロズ峠でポガチャルにつかまり、そしてポガチャルがステージ優勝するかもしれない。
そうなると、最初の2つの超級で1位通過するとして合計40ポイント。しかしロズ峠でステージ優勝すれば今日は上述のように40ポイント。
このように仮に終盤まで逃げたとしてもロズ峠のポガチャル次第で結局山岳賞は取れない可能性もある。
しかし逃げに乗らずにポガチャルをずっとマークし続けてロズ峠でポガチャルを出し抜けるかといえばその可能性も低そうだ。
このように山岳賞争いという点では、スタート前に逃げに乗った場合と乗らなかった場合を比較し、どちらが良いのかを判断しなければならない。個人的には逃げに乗ったほうがいいと思う。
あとはポガチャルがどれだけ本気で山岳賞も狙うか次第。逃げにレニマルたちが入った場合にUAEがどれだけのタイム差を容認するのかでそれがわかるだろう。
第16ステージにおいてVismaは「後悔だけは残さない」とのポリシーのもとポガチャルを総攻撃した。そのときヴィンゲゴーもまた、
ヴィンゲゴー「もうこれで終わってもいい だから」
と捨て身の連続アタックを敢行し、ポガチャルを限界にまで追い詰めた。今日もそんなヴィンゲゴーに期待したい。
正直最後はポガチャルがちょいサシで優勝しそうだが、それでもわずかな可能性を捨てずにヨナス・ヴィンゲゴーで。山岳賞1位にもなれるし。