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タデイ・ポガチャル「ブエルタでは世界選手権のために体力を温存するため、限界を超えるような走りはしない」
タデイ・ポガチャルは明日から始まる2026ブエルタ・ア・エスパーニャにおいて、キャリア初となる同大会の総合優勝に挑む。
ただし、その先には彼の目標の1つでもあり3連覇がかかる世界選手権、続けてヨーロッパ選手権、さらに年間最後のモニュメントであるイル・ロンバルディアが控えており、そうしたレーススケジュール上の難しさが彼の前に横たわっている。
2026年ツール・ド・フランスで史上最多タイに並ぶ5度目の総合優勝を達成したポガチャルは、ブエルタでも全力を尽くすとしたうえで同時に、「完全に消耗した状態で終えるべきではない」と強調。シーズン終盤まで見据え、3週間を戦略的に走ろうとする考えを示した。
ポガチャルは2024年にジロ・デ・イタリアを制し、そしてツール・ド・フランスでは今年通算5度目の総合優勝を達成。見事にツール史上最多総合優勝者がそろういわゆる「5勝クラブ」に入った。
しかし3大グランツールのうち、ブエルタ・ア・エスパーニャだけはまだ総合優勝がない。そもそもブエルタにはプロデビュー元年となった2019年(総合3位でフィニッシュ)以来出場してこなかった。
その2019年当時20歳だったポガチャルは、初めてのグランツールのブエルタで山岳ステージ3勝を挙げた。第20ステージでは長距離攻撃を成功させ、総合3位と新人賞を獲得。世界のトップ選手として一躍注目されるようになった。
それから7年を経て今回は圧倒的な優勝候補としてブエルタに戻る。本人は2019年大会に素晴らしい思い出があるとしながらも、現在はレースに臨む姿勢が当時とはまったく異なると話す。長い空白期間があったため、「初めてブエルタに出場するような感覚もある」という。
仮に2026ブエルタで初制覇を果たせば、今年のジロ総合優勝のヨナス・ヴィンゲゴー(Jonas Vingegaard)に続いて、男子選手としては史上9人目となる全グランツール制覇を達成する。
ただしポガチャルはライバルであるヴィンゲゴーの成功に刺激されたという見方を否定している。あくまで、3大グランツールをすべて勝つことは以前からの大きな目標であり、夢だったと説明している。
2026年ツール終了からブエルタ開幕までは、それほど長い期間が空いていない。
それでもポガチャルは回復するには十分な時間があったとの認識だ。ただし、実際のコンディションについては、レース序盤の走りを見なければ判断できない。
大会はポガチャルが生活とトレーニングの拠点にしているモナコで開幕。第1ステージには9.4kmの個人タイムトライアルが設定されている。
ポガチャルはコースを熟知しているものの、コーナーが多いテクニカルなレイアウトのため、通常の高速タイムトライアルとは異なるペース配分が必要になると分析している。
初日からリーダージャージであるマイヨ・ロホを狙って全力で走るが、短くテクニカルなコースを得意とするライバルの存在も警戒している。
→過去記事:2026ブエルタはモナコ公国スタートでF1サーキットでの第1ステージの個人TTコースが発表
2026年ブエルタは序盤から山岳ステージが組み込まれている。
→過去記事:第1週目がヤバい?獲得標高58,000m超の2026ブエルタ・ア・エスパーニャのコース発表
第3ステージではフォン=ロムー周辺の山岳地帯に入り、第4ステージにはアンドラ・ラ・ベリャを舞台とする104.8kmの短距離山岳ステージが登場する。ポガチャルは脚の感触については良好だと説明しているが、ツールから本当に回復できているかどうかは、第4ステージ以降に明確になると語る。
その第4ステージの結果を踏まえて、UAE Team Emirates-XRGは以降のステージでどのようにレースを進めるかを本格的に判断することになるだろう。
圧倒的な優勝候補と評価されるポガチャルだが、ブエルタがツールより簡単な戦いになるとの見方を否定する。
スタートリストには優れた才能を持つ選手がそろっており、出場者全員が最高の状態で臨んでくると予想。自身が近年圧倒的な成績を残しているからといって、総合優勝が約束されているわけではないと強調している。
またツール・ド・フランスとは異なり伝統的にブエルタは若手や伏兵が活躍することが多く、ブエルタ特有の「混沌」が生まれやすい。ツールよりも展開の予想が困難になることもある。さらにはブエルタ名物の激坂や過酷な山岳ステージもポガチャルにとって無視できないものだ。
上述のようにポガチャルの2026年シーズンはブエルタで終わりではない。世界選手権、ヨーロッパ選手権、そしてイル・ロンバルディアが控えている。もちろんそれら全てで勝利を狙う。
そのためブエルタで総合優勝を目指しながらも、不必要な場面でエネルギーを消費することは避けなければならない。
ポガチャルは「疲労困憊の状態でブエルタを終えるべきではない」と語る。第4ステージなどを終えた段階で自身のコンディションと相談しながら、チームとどのようにその後のステージを計画的・戦略的に走るのかを決めることになるだろう。
すべてのステージで圧倒的な力を見せるのではなく、3週間を通じて最も効率的・合理的に総合優勝を狙う。それが2026年ブエルタにおけるポガチャル最大の課題となりそうだ。
ただそうすると彼の十八番である長距離アタックからの独走など、圧巻の走りを見られる機会は減りそうだ。それを求めるファンからするとやや物足りない大会になるかもしれない。