なぜピーター・サガンは強いのか?コーチが語る強さの秘密とトレーニング。コーチ「サガンは速くない」。
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ロードレース史上初の世界選手権3連覇を成し遂げたピーター・サガン。世界選以外でもこれまで数えきれない勝利を挙げてきた。
今回は、そんなピーター・サガンを2015年から指導してるコーチが、サガンの強さの秘密とトレーニングのやり方を語ってる記事のご紹介ブヒ。
情報源:How Peter Sagan’s coach helped to unlock the world champion’s amazing talent
情報源記事中で、サガンについて語るのは、プロチームBoraのコーチ・監督でPatxi Vila Errandonea(42歳)というおっちゃんや。このおっちゃんは、もともとは今は無きプロチームTinkoffでもコーチと監督をやってた。そんで、2015年から現在まで3年ほどずっとサガンのトレーニングを指導してる。
そんなサガンの肉体をよく知るおっちゃんが語る、サガンのトレーニングと強さの秘密とは?
目次
(1)ピーター・サガンのトレーニングについて
①サガンのトレーニングは、パワーメーター重視?感覚重視?
サガンのコーチは、サガンは必要なときしかパワーに関するデータを見ないと言う。それはインターバルトレーニングやスプリントトレーニングをするときだけ。
パワーは確かに大事やけど、パワーメーター使ってそのデータ見ることが重要なトレーニングなんて、せいぜい週に3日や言うてる。それ以外の日は長距離を走る練習しとけと言う。パワーのデータなんて選手は見んでもええわとも言うてる。コーチが見ればええんやと。またコーチとしてはパワーメーターによるパワーのデータよりも、肉体各部のデータのほうが重要らしい。
そもそもF1やヨットレースのパワーメーターと比べて、自転車のパワーメーターなんて不正確なんやから、本当にパワーメーターを使った科学的トレーニングするんやったらもっと本格的なパワーメーターが必要やと。
というわけで、感覚重視かどうかは知らんけど、少なくともサガン本人はパワーメーターのデータをさほど見てないようやね。
なお食事面でいえば、サガンが特別な栄養指導を受けてる・実践してるとかは全くなく、単にチームが用意したものをちゃんと食べてるだけのもよう。
②休息やリフレッシュ期間はしっかりと取る。
パリ~ルーベなど春先のクラシックシーズンが終われば、Boraのサガン班は4~6日間は完全にお休みに入る。それからお仕事再開。それでもサガンはマウンテンバイクに乗ったりして、心身ともにリフレッシュできる期間を設ける。だいたい1週間から2週間かけてリフレッシュする。そういった期間を経て通常のトレーニングに戻る。このトレーニングではだいたいツアー・オブ・カリフォルニアとかツールに向けた準備やね。
(2)ピーター・サガンの強さの秘密について。トム・ボーネンとの関係。
コーチはこう言う。
There are a few uncommon things about Peter. The first is his capacity to understand his body and to know what he needs, whether that’s resting, or training more, or doing more strength workouts. That makes it easy, because he tells you what he needs. The other thing is that he really needs to be fresh before a race. If he trains too much or races too much and he’s not fresh, he’ll still get a [decent] result, but probably not a super one.
訳「サガンについていくつか特徴的なことがある。1つは自分の肉体の理解し、何が必要なのかをわかる能力を持ってることや。休息が必要なのか、トレーニングの量が必要なのか、あるいはトレーニングの質について強度をもっと高める必要があるのかを自分で判断できるんや。これは好都合やで。何が必要なのかすぐ周囲の人間がわかるやん。あとはせやね、サガンには必ず目標となるレース前にリフレッシュする期間が必要やということやね。もし、トレーニングしすぎたり、レースに出過ぎたりするとサガンは疲れてまう。まぁそんな状態でもそれなりの結果は出してくれるけど、あくまでそれなりであって、1位というわけにはいかへん」
I don’t think Peter is a fast guy. He can be fast, but he’s not naturally fast. He needs that skill, because at the end of the race he needs to be fast to win — but it’s not because he’s naturally fast.
訳「ワシはサガンが速いとは考えてない。サガンは速くなれる力があるのであって、生まれつき特別な肉体だというわけやない。サガンは勝利のための上のような肉体管理技術を持ってるけど、なんでそんな技術を持ってるんかといえば、レースの最後で勝つために必要だからや。生まれつき速いならそんなんいらんやろ」
We get his speed through his freshness and his strength — getting to the finish fresh and being faster than the fast guys. He wins not because he’s faster but because he’s fresher.
訳「サガンの速さというのは、肉体が疲れてなくて強い状態であるからこそなんや。すなわち、ゴール前まで疲労が少ない状態で、だからこそ誰よりも速い状態であることが必須条件なんや。サガンの強さの本質は速さではなく、疲労が少なさや」
ようするに、ピーター・サガンの強さの秘密というのは、レース前の調整能力の高さ、そしてレース中の体力の管理能力・技術力の高さという2つの要素がその本質なんやね。ゴール前まで誰よりも「フレッシュ」な状態で走行できれば、誰よりも速い。こういうことやね。コーチはそれがサガンの強さやというてるわけ。
自身の肉体の状態についてサガンは誰よりも把握できる能力が高いとすると、レース中においてどこまで踏んで、どこまで追い込んで、そしてどこまで足を休めるかの判断が誰よりも正確にできるということになる。周囲の状況からして休めるときに休めるとは限らへんけど。しかし、その判断が誰よりも精緻ならば誰よりもフレッシュな状態でゴール前まで行けることになる。
こう考えると、サガンはそのキャラクター性からいかにも天才児という感じがするけど、どちらかというとサガンはマシーンやAI(コンピューター)に近いんちゃうか?
ここしばらくカンチェラーラがモーター疑惑で話題やけど、カンチェラーラがその肉体にモーターを持ってるとすれば、サガンはコンピューターを持ってるとも言えるんとちゃうかな。
そして、コーチは続けて若き日のボーネンとの共通性について言及してる。たしかに最後の最後に集団スプリントで勝利するスタイルはサガンも若きボーネンも同じ。
ボーネンは歳を取ると、純粋なスプリンターからクラシック系へ変化していったけど、コーチはそのボーネンのキャリアの変遷をサガンの参考資料として注目してる。
(3)アマチュアライダーがトレーニングジムに通う必要性と目的について。筋肉は最高!
ロードバイクのトレーニングの一環でジムで筋トレとかをする必要があるのか、という疑問についてこのコーチはこう答えてる。
Hit the gym hard because that’s part of cycling, specifically if you want to deliver those watts at high cadence.
訳「ジムにいってしっかりトレーニングせんかい。それも自転車のトレーニングの1つなんやぞ。もし重いギアをぶん回したかったらジムで筋トレせんかい」
My riders are going to the gym all year, even if it’s only once a week. We don’t build bigger muscles, but we use them better to create power efficiently.
訳「ワシのチームの選手も、一年を通じてジムいっとるぞ。週に1回か2回でも行っとる。でっかい筋肉はいらんけど、筋肉があれば効率的に推進力を得られるからな」
このように自転車のプロもレースで勝つためにジムで筋トレしてるんやから、レースで勝ちたければジムで筋トレが必要とのことや。マッスル北村みたいな筋肉はいらんけどね。
やっぱり筋肉も大事なんよ。筋肉があれば何でもできる。デフレも克服できる。GDPも上がる。筋肉は正義!ムッキー!
Looking forward to the start of the 2018 season with @BORAhansgrohe in @tourdownunder @southaustralia @CityofAdelaide @GoPro pic.twitter.com/UYBUU12Ez0
— Peter Sagan (@petosagan) 2017年10月20日
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