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5月ごろに今年のツール・ド・フランスについて、イネオスのエースの1人エガン・ベルナル(Egan Bernal)が発した言葉がかなり世間で話題となった。それは、「ツールでは自分を犠牲にして誰かのために走ることはない」という内容の発言だった。(過去記事:E.ベルナル「ツールでアシストはしない」)
この発言をきっかけにして世間やメディアは、「若きエースが反抗期!?フルームとベルナルとの間に確執か!?」とヒートアップ。さらに、後日その発言を知ったフルームが激怒し、チームに対して「どうなっとるんや!」と不満を述べたとも噂され、そういった不満が最近世間を賑わすフルームの移籍話へもリンクしていると憶測が飛び交っていた。
しかし、今回、ベルナルは自身の発言についてコロンビアメディアのEl Tiempoに対して、「真意を誤解されている」、「フルームとの間に確執はない」「ミンナ トモダチ」であると説明する。
情報源(El Tiempo):‘Froome nunca se disgustó por lo que dije’: Egan Bernal
La gente tomó eso como si él estuviera bravo conmigo, pero no es así. Nunca se disgustó conmigo por lo que dije. Somos amigos y todos queremos salir adelante, queremos ganar y aquí lo importante es que gane el equipo, somos el Ineos y el que tiene que ganar es el Ineos.
訳「(Gとフルームとその件で話したんやけど)、みんなはまるでフルームが怒ったかのように理解してるみたいやけど、実際は別にフルームは怒ってなかったで。ワシの発言に腹を立てたりしなかった。イネオスではみんな友達やし、みんないっしょに歩み、勝ちたいと思ってるわけ。そんで大事なのはチームとしての勝利や。ワシらはチームイネオスであって、勝利すべきなのは個人ではなくチームとしてのイネオスなんや」
問題となった発言の真意としては次のようなものであろう。
すなわち、イネオスがいわゆるトリプルエース体制をとり、そして実際にツールで走っているときに最強である選手が唯一のエースとなるという戦略を採用している以上はその戦略に当然従うが、逆にいえば真のエースが決定されるその瞬間まではG、フルーム、ベルナルの3人にはそれぞれエースとしての裁量・自由が与えられていることになる。
したがって、その間は誰かのためにあえて自分を犠牲にする必要はないということ。それがチームの方針である。チームが真のエースを決める判断を下すまではそれぞれがエースとして走れという方針なので、それまでにあえて自分からアシストをするような走りをするのはチームの方針に反することになる。チームがエースを決定すればそのエースのために自分はアシストの回る。以上な真意の発言であろう。