2021ロンド・ファン・フランデレンの結果と感想

終わったばかりのモニュメントの王様、ロンド・ファン・フランデレンの結果と感想を。今年も心が震える結末が待っていた！

最後のオウデクワレモント！

今年のロンドは昨年とは異なり、終盤まで誰もが決定的な動きを決められないまま進んだ。レースの後半から断続的にちょこちょこアタックがかかるがが、なかなか周囲がそれを許さない展開。そんな感じで進んでいった。

その中で珍しかった（？）のが、このTwitterの場面。バーレーン・ヴィクトリアスが終盤に出来た逃げ集団に2名（ハラーとトゥーンス）を送り込んでいたのだ。しかもアラフィリップ、マチュー、ファン・アールトなどのエースが揃った集団にだ。石畳モニュメントでそこまで頑張るバーレーンは初めて見た気がする。

ただその集団もまだまだ二転三転しそうな雰囲気のままレースは進んだ。

そしてゴールまで残り20kmを切り、最後のオウデクワレモントであの男がついに動いた。次の動画を見て欲しい。

マチューがいったああああああああああ！！！

それまでマチューはカスパー・アスグリーン、そしてワウト・ファン・アールトで逃げていたが、ここでマチューが2人をふるにかける！

正直、この爆発的な加速で「決まったな･･･」と思っていたら、アスグリーンがしぶとく粘る！このあとすぐにマチューに追いつき2人のランデブーがスタート。アスグリーンが予想外に強い！

アスグリーンは個人タイムトライアルを得意とする選手。そのため高出力を長時間維持することと、走りをマネージメントする能力はとても高い。

だが、もし2人でのゴール前スプリントになればマチューに軍配があがるだろう。よってアスグリーンはどこかで抜け出したい、だが2人だとそのチャンスがなかなか見つけにくいもの。だからといって速度を緩めて後続を待つような残り距離でもない。一体どうするのか･･･

うおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！

結局、アスグリーンのチームメイトのジュリアン・アラフィリップやワウト・ファン・アールトらの後続集団は2人に追いつけないまま。2人だけのゴール前スプリント。奇しくも昨年のファン・アールトvsマチューと似た構図となった。

そんな2人の限界ギリギリバトルの結末はこちらの動画でどうぞ。

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！

正直、本当に「うおお」という声でたわ。

いやだって、「こんなんマチューが勝つわ」と思ってたし、マチューがスプリントをスタートした瞬間も「あ、これ連覇や」と思った。

だがまさかのマチュー失速！最後まで余力を残していた今年のアスグリーンが強すぎる！

MVDP vs ASGRNは、ASGRNの勝利！優勝者としても、スプリントの結末としても両方の意味でブタの予想外！これだからモニュメントはおもしろい！

たしかにアスグリーンは2019年のロンドで2位（1位はチームEFのアルベルト・ベッティオール）だったので、優勝の可能性は当然あるといえばある選手。しかも先日のE3でも優勝しているため、モチベーションも調子もずっと良かった。

だがゴール前スプリントで勝つというイメージは持っていなかった。どちらかといえば独走で勝つタイプの選手だとずっと思っていた。先日のE3がまさにそういう勝ち方だったからだ。次のE3のハイライト動画を見て欲しい。

こういう勝ち方がアスグリーンの必勝パターンだと思っていたため、マチューが最後の最後で失速したとはいえ、1vs1のスプリント勝利で勝つことは全く予想していなかった。

トップ10

第105回ロンド・ファン・フランデレンのトップ10は次の画像のとおり。

順位	選手名	チーム名
1	Kasper Asgreen	Deceuninck – Quick-Step
2	Mathieu van der Poel	Alpecin-Fenix
3	Greg Van Avermaet	AG2R Citroën
4	Jasper Stuyven	Trek-Segafredo
5	Sep Vanmarcke	Israel Start-up Nation
6	Wout Van Aert	Jumbo-Visma
7	Gianni Vermeersch	Alpecin-Fenix
8	Anthony Turgis	Total Direct Energie
9	Florian Senechal	Deceuninck – Quick-Step
10	Dylan van Baarle	INEOS Grenadiers

10人中5人がベルギー人、フラス人が2人、そしてオランダ人が2人。その頂点に輝くデンマーク王者のASGRN！