ツール・ド・フランス

ヤコブ・フルサン「今のプロトンにはリスペクトが足りない」「オートバイの利用行為は制限すべき」

今年ワールドツアープロデビュー13年目を迎えたアスタナのヤコブ・フルサン(Jakob Fuglsang)。来年からはチームイスラエルことISRAEL START-UP NATIONで走ることになっている。

もう36歳となったベテランのデンマーク人だが、近年のプロトンについて「今のプロトンにはリスペクトが足りない」との不満を持っているようだ。

情報源:Jakob Fuglsang: ‘There is less respect in the peloton’

ロードレースの安全のために最も重要なのは、プロトン内部のリスペクト

フルサンが言うには、かつてのプロトンには、はっきりとした選手間の序列があり、みんながスター選手の動きや指示に合わせて動いていたと。危険な箇所があればみんなスピードを落とし安全運転。プロトン全体にリーダーの意思が及び、それがプロトンの安全性を確保していたと。

ところが最近のプロトンにはそれがないと述べる。曰く「それが今の現実だ」と。

そしてプロトン内部の序列が希薄化したことで、今のロードレースは昔よりも危険になっていると主張。

誰もが(全てのチームが)プロトンの先頭付近で走ろうと、より高速に、より密集して、より必死にレースをしている。それがレースの危険性を増大させる要因になっていると指摘する。

ロードレースの安全性という点では、これまでも路上のバリアーなどプロトンの外側の環境について議論されることが増えていたが、フルサンは「安全性について最大の責任を持っているのはプロトン自身(選手自身)だ」と主張し、プロトンの内部においてもっと選手同士が相互にリスペクトを持ち、プロトン全体の意思と異なる勝手な動きをしないことが大事だと考えている。

オートバイを利用する走行を制限すべき

ロードレースで迫真の映像を届けてくれるのがカメラマンを乗せたオートバイ軍団。

だが、フルサンに言わせると、近年のロードレースはそのオートバイがレースの勝敗を決める決定的要因になっていることが多いと。

選手としては少しでも風よけのため何かを利用したい気持ちがある。もちろんチームカーなどの自動車を風よけとして利用するのは原則禁止されている。

そこで選手としては、TVカメランを乗せたオートバイを利用するわけだ。ときどきオートバイが近すぎて選手から「もっと離れろ」と怒られる場面を目にする。

オートバイのすぐ後ろにアタックする選手が入れば空気抵抗的に有利。その一瞬の風除け行為が、他の選手との少しのギャップを生むわけだが、その少しの差がレースの勝敗を分けることが多くなっているらしい。

それではレースが、純粋に選手の力によって決まるものだとは言えなくなる。

そこでフルサンとしては、オートバイと選手との距離、そしてオートバイと選手との位置関係といった点になんらかのルールを決めたいと思っている。

それはUCIルールとして明文化するのではなく、プロトン内部の紳士協定としてルール付けたいと思っているようだ。たしかにどんな分野でも明文化してしまうと現実に運用に困難をきたすことが多い。一定の運用の柔軟性を持たせることのほうが現実的だという考えだろう。

そしてこの紳士協定を守るかどうかは、まさにプロトン内部のリスペクトの有無と密接に関係する。かつてプロトン内部の序列があった時代は紳士協定が大きな役割を果たしていたわけだが、現代では紳士協定も希薄化しているとよく言われる。

フルサンはレースの安全性という観点からも、そしてレース勝敗を純粋に選手の力量によるものへ取り戻すという観点からも、プロトン内部の選手間のリスペクトが重要だと考えているのだろう。

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