Enter your email address below and subscribe to our newsletter

ワウト・ファン・アールトの来年のツールでのポイント賞狙いと各チームへの影響

究極のオールラウンダー選手ワウト・ファン・アールトは来年のツールでポイント賞狙いを公言。

Share your love

今年のツール・ド・フランスで、Jumbo-Vismaの元シクロクロス世界王者ワウト・ファン・アールトは、最終日前日のタイムトライアル、最終日での集団スプリント、そして超級山岳ステージで魔の山モン・ヴァントゥをも制した。

つまり3つの異なる分野でステージ優勝を遂げたことになる。まさに究極のオールラウンダーと言える。かつて「脚質ノルウェー」とも呼ばれたタイプの進化系かもしれない。もちろんシクロクロスもいける。

そんなファン・アールトだが、来年のツール・ド・フランスではポイント賞をねらうと述べていた。次の過去記事をまた読んでおいてもらいたい。

過去記事:ファン・アールトが来年のツールでのマイヨ・ヴェール狙いを公言

そして先日も改めてベルギーのメディアでその方針を公言した。

情報源:“Ik ga vol voor de groene trui”: Wout van Aert heeft zijn plan voor de Tour van 2022 klaar

このベルギー紙Het Laatste Nieuwsでの取材においても、「来年はポイント賞のグリーンジャージ(マイヨ・ヴェール)を狙う」と話している。

その場合に最大の問題となるのが、Jumbo-Vismaの絶対的エースであるプリモシュ・ログリッチ(Primož Roglič)をアシストする役割をどうするかだ。つまりチーム戦略の在り方がどうなるかだ。

この点につき、ファン・アールトは「チームは、自分のポイント賞狙いを前提とした戦略とチーム編成をすることになる」と述べている。加えて、ポイント賞を狙う場合は「変な言い方になるけど、ログリッチくん、来年はアシストできひんわ」という感じになると話す。

おそらく来年のツールも1チーム8人編成となるはずなので、ファン・アールトを除く6名がログリッチを守る役割となるだろう。逆にいえば、ファン・アールトは独力でポイント賞を狙うことになる。

ただそうなると集団スプリントでは、ファビオ・ヤコブセンのDeceuninck-QuickStep(来年からQuick Step-Alpha Vinyl)、サム・ベネットのBora-hansgrohe、カレブ・ユアンのLotto Soudal、そしてピーター・サガンのTotalEnergiesといったチームのトレインに対抗するのは難しいだろう。

だがそれらライバルたちと違い、山岳ステージやアップダウンのある丘陵ステージでもステージ優勝を十分狙えるのは大きな利点。ピーター・サガンも似たようなことはできるだろうが、ファン・アールトよりも登れないため本格的な登りが登場するステージではやはりファン・アールトに軍配があがる。

このようにファン・アールトがアシストから離脱するとなると、チームリーダーにして機関車として活躍したトニー・マルティンの引退はかなり大きな損失と言えるだろうか。

そんなマルティンのかわりにTTが強く山岳でも十分に走れるといえば、やはりトム・デュムラン。本人の仕上がり具合にもよるがデュムラン(大)がログリッチのアシストという可能性が大きくなるのではないだろうか?

そうなるとジロのエースはヴィンゲゴーかクライスヴァイク?ブエルタはセップ・クスがエースか?

ファン・アールトのこの方針が各チームの思惑にも影響してくるだろう。それは総合争いのチームだけでなくポイント賞争いのチーム、そしてステージ優勝狙いのチームといった参加する全てのチームの戦略に影響を及ぼすはずだ。

ひょっとしたら来年のツールは珍しい展開が見られるかもしれない。あとはマチュー・ファン・デル・プールがどう動くか・・・

Share your love
piginwired
piginwired
Articles: 6379

4 Comments

  1. 集団スプリントは他チームのトレインをタダ乗りして1位でなくとも上位を狙い、丘陵ステージでは重量級スプリンターを置き去りにしてこれまた上位を狙うサガン的戦略で臨めばポイント賞は取れそうですが、BORA時代のサガンの場合はトレインを組むほどのリードアウトの人数は揃えられなくても、ときにはクライマーまで投入して逃げつぶしをしていたので、総合勢は休みたいようなステージでJumboがそういう協力をしてくれるかですね。
    あるいはファンアールトなら丘陵ステージで逃げてしまえばいいのかもしれませんが、マークもきついだろうし一緒に逃げたらスプリントで負けるのがわかってて協力してくれる選手がいるかというと難しいですよね。。。

    • たしかにファン・アールトの強さは誰もがわかっているだけに、楽に逃げさせてくれるとは思えないブヒね。
      たとえ山岳ステージでも、クライマーはみんなファン・アールトについていくだけ・・・みたいなことが多くなるかも。
      Boraは今年もサガンのためにチーム一丸で逃げを本気でつぶしにきてた場面があったブヒね。トタルもそういう風にやってくる?

      ファン・アールトがガチガチマークで疲弊していけば、サガンにチャンスが??

  2. って言う布石でwva泳がせておけばペースが落ちてログリッチが安全に足休められるかも?

    • あ、たしかにそれは考えられるブヒね。
      WVAの動きが実は間接的にログリッチのアシストになるというのは十分ありえそうブヒね。
      そうなると今回の発言も実は、Jumbo-Visma「計算通り(ニヤリ」なのかも。

Leave a Reply to piginwiredCancel Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

Stay informed and not overwhelmed, subscribe now!