2022ツアー・オブ・オマーン第1ステージの結果と感想

昨日から始まったツアー・オブ・オマーン。マーク・カヴェンディッシュ vs フェルナンド・ガビリアのスプリンター対決や、元世界王者ルイ・コスタ（チームUAE）の総合優勝が見られるかなどが注目点。

2022ツアー・オブ・オマーン第1ステージのコースプロフィール

第1ステージのコースは次のような感じ。

総距離138km、スタートからゴールに向けて少しずつ標高が下がっていく感じ。最後はゴール前1kmに平均斜度10％弱のけっこうな坂が登場。そんな登り気味のゴール前となっているのが曲者。

バスク！オレンジ！エウスカルテル！

スタート直後に3人の選手が飛び出す。全員が非ワールドツアーチームの選手だが、その中で注目はバスクのオレンジ軍団ことエウスカルテルの選手ペイオ・ゴイコエチェア。

案の定その三人の中で一番力があったのか、途中の中間スプリントも制した。その後ゴイコエチェアは残りの二人を引き離し完全に一人旅に。ゴールまで残り10kmあたりまで逃げ続けた。

「え、チームDSMがなんで？」からの･･･

そんな彼をつかまえたのはなぜかスプリンターのいないチームDSM。本来ならステージ優勝を狙う布陣ではないのだが、なぜかスプリンターでの勝利を狙うクイックステップやチームUAEよりも積極的にプロトンを牽引していた。

「なんで？」と思ったら、チームDSMのエース（？）であろうセーアン・クラーウアナスンが動いた。単独で集団からアタック。

クイックステップやUAEは驚いたのではないだろうか。集団はハイスピードで逃げる彼を各チームが追いかけるが、その過程でわちゃわちゃと先頭を取るチームが入り乱れる。

ゴール前500mを切ったあたりで最後に先頭を取ったがチームUAE。名発射台マキシミリアーノ・リケーゼ（引退を延長していた）がガビリアを引き連れ先頭に。

リケーゼ→ガビリア→カーデン・グローブス→カヴェンディッシュの順番で並ぶ。

リケーゼがガビリアを発射。一方カヴェンディッシュはリケーゼを避けるため、横に迂回してからのスプリントに。

そこから先は以下の2022ツアー・オブ・オマーン第1ステージのハイライト動画でどうぞ。

2022ツアー・オブ・オマーン第1ステージハイライト動画

というわけで、久しぶりにフェルナンド・ガビリアが優勝。勝利は昨年8月11日のツール・ド・ポローニュ第3ステージ以来になる。迂回してスプリントが遅れたカヴェンディシュは届かずに2位。

レース後にガビリアは次のように相棒のリケーゼに感謝を述べる。

“In the last part, Max took the control of the lead-out, had completely 100 percent control for every moment, every pedal. [He didn’t] lose some meters and then in the last part, pushed full-gas and really made the difference for the victory today. More than half of that victory is for Max,”

Fernando Gaviria: ‘More than half of that victory is for Max’

訳「最後の場面ではリケーゼが先頭をコントロールしてリードアウトしてくれたけど、最後はずっとパーフェクトなリーアウトだった。無駄な動きはなく、最後の局面では全力で自分を引きあげてくれ、それが今日の勝利にとって決定的なものになった。勝利の半分以上はリケーゼの献身のおかげやね」

一方惜しくも2位に終わったカヴェンディッシュだが、昨年後半のヘント6日間レースで負った骨折の影響は残ってなさそうで、元気な走りを見せてくれた。まだ100％のコンディションではないだろうが調子は良さそうで安心。

あとはガビリアもカヴェンディッシュも怪我をしないで欲しい。この二人がベストコンディションになればまたグランツールのスプリント争いが楽しくなる。