今年のジロ・デ・イタリアにも、サイモン・イエーツ、トム・デュムラン、ヴィンツェンツォ・ニバリ、ミゲル・アンヘル・ロペス、アレハンドロ・バルベルデなど有力選手が数多く揃っているが、そのうちの1人が優勝候補のリチャル・カラパス(Richard Carapaz)。2019年にジロを制したのも記憶に新しいところ。
そんなカラパスだが、今年はジロの他に「ブエルタも本気で」狙うようだ。
情報源:Giro d’Italia favourite Carapaz aims for two Grand Tours in 2022
これまでカラパスは同じ年に2つのグランツールを走るというのを3回やってきた。2018(ジロ+ブエルタ)、2020(ツール+ブエルタ)、そして2021(ツール+ブエルタ)だ。
そして今回、記者会見でカラパスはこう述べたようだ。
“It’s a new objective and very personal one,”
訳「今年のジロ+ブエルタは新しい目的で、とても個人的な目標やね」
これまでも同年に2つのグランツールというのを実行してきたにもかかわらず、今年はわざわざ「new(新しい)」という言葉を使って表現しているあたり、これまでとは異なる意気込みがうかがえる。つまり、今年はブエルタも本気で狙いに行くということだろう。
さて、近年のロードレースではゴールのかなり前からの長距離アタックによる独走勝利が増えている感じがある。レムコ・エヴェネプールやタデイ・ポガチャルもそうしたロングアタックを得意としている印象だ。この2人に共通するのはTTの強さ。
そしてカラパスは小柄だが、TTが決して不得意というわけではない。
そこで記者から「ロングアタックをぶちかまして総合で優位に立つ予定は?」と質問されると、
“The Giro d’Italia is never won in a single stage, though. But we’ve seen lots of surprises in this race. Sometimes the biggest stage on paper doesn’t end up being the key one.”
訳「ジロは1日だけで全てが決まるというレースじゃないけど、これまで多くのサプライズが起こってきたわけよ。紙上では最難関ステージとなっていても、それが総合優勝を決めるステージにならなかったこともあるしね」
と、このように答える。
当然に大会前から自分たちの作戦を明らかにするわけないので一般論を話しただけだが、データ上の難関ステージにこだわらないで攻撃する姿勢・考え方には含みをもたせているようなコメントとも言える。