レース後のヴィンゲゴーとクスのコメント。2023ツール・ド・フランス第6ステージ

昨夜の2023ツール・ド・フランス第6ステージは、2日連続でポガチャルが衝撃のシーンを見せたという点、かつ、その2つの衝撃は全く正反対のものになったという点で、大興奮の2日となった。このおもしろすぎた第6ステージがドンピシャのタイミングで無料放送・無料配信の日となっていため、無料で見られたファンはとんでもない幸運で大満足だったのではないか。

一方で第5ステージでポガチャルを攻撃して改めてその異次元っぷりを見せつけたヨナス・ヴィンゲゴー（Jonas Vingegaard）は、第6ステージでは最後の最後で失速してしまった。ポガチャルとの関係はまるでコインの裏表のようなものとなった。

そんなヴィンゲゴーのレース後のコメントを紹介しておこう。

情報源：No regrets for Jumbo-Visma as Vingegaard takes Tour de France lead despite losing time

まずヴィンゲゴーを超級山岳トゥルマレでアシストしたアメリカ人スーパークライマーのセップ・クス（Sepp Kuss）は、その日の作戦はすべてワウト・ファン・アールト（Wout van Aert）が逃げに乗れるかどうか次第だったと明らかにした。

そしてチームの狙いどおりにスタート直後のアタックでワウトが逃げに乗ることに成功。その瞬間、チームのこの日の作戦が完全に決定された。

その作戦は超級のトゥルマレを高速ペースで登りプロトンを支配すること。その時点でおそらくUAEのアシストを崩壊させることを企図していた。クスは続けて、ヴィンゲゴーはトゥルマレを単独で登り終えることをねらっていたと明らかにする。実際にそのとおりにヴィンゲゴーはトゥルマレの途中でアタックをしかけた。やはりトゥルマレでUAEとポガチャルに引導を渡すつもりだった。

しかしヴィンゲゴーに劣らず異次元の化け物っぷりを見せつけたポガチャル。ユンボは逆に最後の1級でポガチャルにやり返されてしまい、この日のユンボの作戦は台無しとなった。

ただ、ユンボとしては残念な1日となったことについてヴィンゲゴーもクスもそれほど悲観的に捉えていないようだ。

ヴィンゲゴーは「まずはマイヨ・ジョーヌを獲得できて超嬉しい」と話し、

Of course, I hoped to at least stay with Tadej, but he was really strong on the last climb. I would also have loved to take the stage, too.”

訳「もちろん、今日は少なくともポガチャルに離されないようにしたかったけど、彼は最後の登りでめっちゃ強かったしね。もし同じ立場だったら自分も第6ステージは狙いにいったやろね」

“I felt good today and wanted to give it a shot. He was obviously really strong today and deserved to win. I guess it will be an exciting Tour de France this year.”

訳「自分としては調子良かったし、攻撃をしかけたかったのよ。明らかにポガチャルが強すぎたし勝って当然やね。まだまだ今年のツール・ド・フランスはどうなるかわからんで～」

自身の調子の良さも自認しつつ、復活のポガチャルに対して油断せず戦いを続けることを示唆する。