ジロ第20ステージでなぜドリス・デ・ボントはカラパスとデルトロをアシストしたのか？その答えが明らかに。

今年の2025ジロ・デ・イタリアはサイモン・イエーツによる大逆転劇によって幕を閉じた。その伝説的な逆転劇の舞台となったのが最終日前日の第20ステージ。フィネストレ峠とその未舗装区間が登場した日だ。

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それまで総合3位だったイエーツは、総合2位のリチャル・カラパスと総合首位のイサーク・デル・トロの二人が牽制状態に入ったすきを見てアタック。両名を置き去りした。さらにTeam Visma | Lease a Bikeの作戦が大当たり、前待ちのワウト・ファン・アールトという最終兵器と合流し差を拡大、ついに大逆転へ至った。

サイモンに逆転されるおそれが高まったにもかかわらず、そんな状況下でなぜカラパスとデル・トロがなぜ無意味な牽制を繰り広げたのかについては様々な憶測や批判が飛び交った。

しかしそれとは別にもう1つ疑問を抱くシーンがあった。

それは、総合優勝やステージ優勝との関係がなくなったDecathlon AG2R La Mondialeのドリス・デ・ボントが、サイモンから遅れたカラパスとデル・トロを前を引き、サイモンとの差を縮小しようと動いたことだ。なぜ彼はカラパスとデル・トロのアシストをしたのか？

情報源：Giro mystery finally answered: Why did De Bondt suddenly start pulling for Carapaz?

ドリス・デ・ボント「来年の契約のためだった」

レース中に🐷もそれは「ん？なんで？」と思っていたが、ドリス・デ・ボント自身の口からその真相が（部分的に・示唆的に）語られた。ベルギーメディアWielerflitsに対して彼が語ったところによると、

“That’s why I let several teams know that I’m open to talks about a contract,”

訳「いくつかのチームに対して、自分は来年度の契約がまだなくいつでも交渉可能だとアピールした」

ドリス・デ・ボントのDecathlon AG2R La Mondialeとの契約は今年いっぱい。つまり、来年度の契約を勝ち取るための行動だったと話す。

彼が言うには、実はその第20ステージのスタート前にリチャル・カラパスが所属するEF Education-EasyPostの監督Ken Vanmarckeが彼のもとにやってきて、「今日どうすんの？逃げ難しそうやけどやる？でももし、ジロの総合成績に対して何か大きな影響を与えるような役割をこなせたら、なにか未来が決まるかも（意味深）」と語ったらしい。

そしてドリス・デ・ボントはその意味深な言葉を信じ、その日どういう動きをすべきかを決めたようだ。そう、チームEFのエース、リチャル・カラパスをアシストすることを決心したのだ。

はたしてそのKen Vanmarckeの言葉がチームからの契約のオファーという意味合いを持っていたのか、またそれがどの程度の信頼性・確実性を持っていたのかはわからない。

だが実際にドリス・デ・ボントはカラパスとデル・トロをしっかりと牽引し、一時的にではあれサイモン・イエーツとの差を22秒から8秒まで縮小させたのは事実だ。

はたしてドリス・デ・ボントのEF移籍は本当に叶うのだろうか？