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トム・ピドコックが引退時期を明言 五輪5大会出場とモニュメント制覇を目指す壮大なキャリア計画とは
ロードレース、マウンテンバイク、シクロクロスの3分野全てで超一流選手として活躍するトム・ピドコック。そんな彼が自身のキャリア終盤に向けた長期的なビジョンを明かした。
その26歳のイギリス人は、すでに明確な引退時期を設定しており、それまでに達成したい目標のリストも持っていると語る。近年はグランツール総合争いへの挑戦にも注目が集まるピドコックだが、本人の視線はさらに広い領域・さらに遠くの未来へ向いている。
ピドコックは将来的なキャリアプランについて、2036年オリンピックを最後に現役生活へ区切りをつける考えを明らかにした。
東京2020、パリ2024に続き、今後もオリンピック出場を重ね、5大会連続出場を実現した上でキャリアを終えたい考えだという。これは単なる年齢による引退ではなく、自ら設定した明確なゴールと言える。
現在のプロロードレース界では30代後半まで活躍する選手も珍しくないが、ピドコックはキャリア全体を長期的なプロジェクトとして設計しているようだ。
近年の成長により、ピドコックにはグランツール総合優勝候補としての期待も高まっている。
特に昨年の2025ブエルタ・ア・エスパーニャでは総合3位に入り、これまでで最高のグランツール成績を記録した。その結果から、将来的なツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリア制覇の可能性も十分あり得るのではないかとも期待される。そして本人としてもそのブエルタでの成功で自身の能力に確信を持てただろう。
それゆえ、本人もシチュエーション次第ではグランツールで勝てると、その自信を語る。
しかし本人は総合優勝への挑戦に対して複雑な感情を抱いている。
グランツール総合争いには数週間にわたる極限の集中力と生活管理が求められる。ピドコックはその挑戦自体には魅力を感じる一方で、自身が本当にそうしたグランツール総合優勝というキャリアに専念したいのかについては慎重な姿勢を見せている。
これはグランツール優勝をしたくないというわけではなくて、それだけにこだわる選手になることに対する慎重さだ。
一方で、現実を見れば、ピドコックのグランツール制覇の最大の障壁はタデイ・ポガチャルとヨナス・ヴィンゲゴーという化け物の存在だ。レムコ・エヴェネプールだけならなんとか対抗できるかもしれない。しかしその2名は明らかに次元が違う。こうした現実も、ピドコックが自らの進路を冷静に見極める理由の一つとなっているかもしれない。
グランツール総合優勝以外にピドコックが最も重視しているのは次のような目標だ。
もともとピドコックはロードだけでなく、マウンテンバイクやシクロクロスでも世界トップクラスの実績を持つ万能型ライダーであるため、総合系エースとしてグランツールだけに全てを捧げるよりも、多彩な分野で勝利を積み重ねることに価値を見出していると思われる。それはポガチャルやヴィンゲゴーにはできないことでもある。
2024年限りでINEOS Grenadiers(現Netcompany INEOS Cycling Team)を離れ、2025年からはスイスのプロチームであるPinarello-Q36.5 Pro Cycling Teamで走る。
移籍後はレースプログラムの自由度が増し、自らが目指す方向性に沿ったシーズン設計が可能になったと考えられている。本人も現在の環境に満足していることを示しており、ロードレースだけに縛られないキャリア形成を進めている。
2026年シーズンはなんといってもポガチャルと最後まで争ったミラノ〜サンレモ2位やミラノ〜トリノ優勝、ストラーデ・ビアンケ7位、エシュボルン~フランクフルト2位など好成績を残しており、新天地ではIneosよりも気持ちよくレースを走れているように思われる。
トム・ピドコックは2036年オリンピック後の引退を視野に入れながら、モニュメント制覇や世界選手権優勝、さらなる五輪メダル獲得など数多くの目標を掲げている。
一方で、グランツール総合優勝については可能性を否定しないものの、それに専念することには慎重な姿勢だ。
マチュー・ファン・デル・プールと同じくロードレース界の万能型ライダーの象徴であるトム・ピドコック。グランツール参戦も含めて彼が今後どのような選択をしていくのかに注目が集まる。