再びレース日程変更が必至か。各国の国内選手権との関係
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少し前にUCIによって改訂版ワールドツアーなどのレース日程が発表されたが、その改訂版をもさらに改訂しなければならなくなる状況が近づきつつある。
情報源:2020 calendar facing amendments as Italian races request re-shuffles and Belgian nationals postpone
再びイル・ロンバルディアとミラノ~サンレモが移動か?イタリア国内選手権との関係
ロードレースファンにとってはおなじみのイタリア紙La Gazetta Dello Sportが報じた(同紙:Ecco il calendario italiano: Lombardia l’8 agosto, Sanremo il 22 prima del Tour)ところによると、イタリアの自転車連盟が、イル・ロンバルディアの移動を求めているもよう。
改訂版の日程によるとロンバルディアは10月31日(土)となっているが、同連盟はそれを8月8日に移動してほしいと言っているもよう。
ところが、改訂版日程ではその8月8日には、ミラノ~サンレモが予定されている。そこで、今度はミラノ~サンレモを移動させる必要が出てくる。その場合同レースをどうやら8月22日へと遅らせる可能性があるもよう。
ロンバルディアとミラノ~サンレモという2つのモニュメントをなぜ移動させたいと思っているのかといえば、それはそれらのレースを使って、ジロ・デ・イタリア、そして他のクラシックモニュメント、特に石畳のクラシックに向けて準備できるようにするため。
一方で、今年の世界選手権は9/20~9/27の開催だが、その前8/22~8/23に他国と同様にイタリアでも国内選手権が予定されている。
しかし、ロンバルディアとミラノ~サンレモをを移動させるなら、イタリア国内選手権も移動させる必要がでてくる。どうやらロンバルディアを移動させた空いた10/31に国内選手権を放り込みたいもよう。
例年の「国内選手権→世界選」という流れを逆にすることになるが、それは仕方ないという判断なのだろう。
ベルギーとオランダの国内選手権について
イタリア以外の国内選手権については、現時点で特にオランダとベルギーのそれが問題となる。
オランダについてはワクチンが開発されるなどするまでは、9月まで大規模スポーツイベントは禁止となっている。そしてこれにより、オランダの国内選手権は今年開催しないことが決定されている。開催を検討したがすでにレース日程が過密な状態のため、同国内選手権を開催する日程的な余地が見つけられなかったため。
そして、このオランダ政府のコロナ対策の方針を踏襲しようとするのがベルギーである。ベルギーについては、過去記事「ベルギー政府とUCIの不一致。新しく発表されたロードレースの日程について」をまた読んでもらいたい。
そしてベルギーもまた、イタリアと同様に国内選手権の開催を8月から秋などへ遅らせたいと考えている。理由は、やはり過密スケジュールによって、同選手権を開催するだけの余地が見当たらないこと。(参考:Het Laaste Nieuws, ‘Bondsvoorzitter Van Damme sleutelde mee aan wielerkalender: “Grote rondes moeten worden ingekort. Maar nu niet. Nu gaat het om overleven” ‘)