2020世界選手権感想:ツール第「22」ステージ
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今年の世界選手権男子エリートロードレースの完走を簡単に。
まず今年はこれまでと違って、日本での配信権を持つSPEEDチャンネルと契約しなかったので、全く映像は見れていなかった。UCI公式Twitterや公式ページでの情報、そして各種SNSでの投稿をつなぎつなぎで見ていただけだった。
世界選主権はツール・ド・フランスだった
ツール・ド・フランス第「22」ステージ
ツールに出場し活躍した選手がそのままのコンディション&勢いでリングに乗り込んで殴り合った。世界選手権の結果を一言で表現するとこうなる。
今年は新コロナのせいでロードレースの日程が完全に崩壊。これまでとは全く異なる日程で、そして例年通りにはいかない選手たちのコンディションでツール・ド・フランスが開催されることになった。そしてその終了直後にこの世界選手権である。
いわば、ツールの延長線(戦)であり、ツールの特別ステージとも言えるような日程となったわけである。そして世界選の戦いもまさにそのとおりになったと言っても過言ではないだろう。
ツール勢強し!
The @LeTour winner is on the attack!!@TamauPogi 🇸🇮 is the first of the favourites to play their card. This is a dangerous move from a man we know can climb AND time trial!@BELCyclingTeam 🇧🇪 take up the chase.#Imola2020 pic.twitter.com/CvrWoPH4n1
— UCI (@UCI_cycling) September 27, 2020
Was this the winning move?@alafpolak 🇫🇷 between 10 and 15 seconds ahead of the chase. Just 2.5km to go now.
— UCI (@UCI_cycling) September 27, 2020
This is touch and go!!! What an exciting finish!#Imola2020 pic.twitter.com/hsQD8eT9Fp
ツールを沸かせた選手らが世界選でもその強さを見せた。
一番上の動画のは、スロベニア代表でツール覇者のタデイ・ポガチャルが、そして下の動画はフランス代表のジュリアン・アラフィリップ(Julian Alaphilippe)が残り17kmでアタックした場面である。そしてその背後の先頭集団には、マルク・ヒルシ(Marc Hirschi)、プリモシュ・ログリッチ(Primož Roglič)、KWSK(Michał Kwiatkowski)、ワウト・ファン・アールト(Wout van Aert)ら、ツールでの猛者どもが勢揃いである。
終盤でアタックをしかけたこのアラフィリップは、総合上位を狙った去年とは打って変わり、今年のツールは狙うところは狙うが、それ以外は捨てるというメリハリをつけた走りだった。ある意味省エネ戦法だった。
それはこの世界選の準備・調整としてツールを使っていたとも考えられる。
三週間のツールを戦い抜いた選手らは、疲労がまだ完全に抜けきっていないと思われるが、それでもログリッチやファン・アールトといった最後まで限界の力で走り続けた選手らが世界選でも最後まで強さを見せたのは、「体力おばけ」としかいいようがない。どんな体をしているのか。本当に人間なのか怪しいところ。
来年はおそらくツールも世界選も例年通りの日程となるので、ツールの延長戦、第「22」ステージという印象はなくなるであろう。やはり今年はツールも世界選も日程だけでなく、レースの内容そのものがコロナに大きく影響を受けたと言えよう。