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今年の2024ジロ・デ・イタリアを歴史に残るような圧倒的強さで制したタデイ・ポガチャル(Tadej Pogačar)。来月末から始まるツール・ド・フランスでも総合優勝しジロとツールの「ダブル」を21世紀で初めて成し遂げられるかどうかに期待が寄せられている。
しかし、そんなポガチャルについて元プロ選手で現在チームEFで監督を務めるティージェイ・ヴァン・ガーレデン(以下TJ)がもう少し賢く走ったほうがいいとの考えを述べる。
まずTJは2024ジロでポガチャルが上手く省エネで走った日の例として、あのモビスターが「モビ☆スタ劇場を繰り広げるのか?」と思わせた第16ステージを挙げる。その16ステージの関連記事がこちら。
この16ステージは悪天候のため本来通るはずだった山岳がなくなり(コースがニ度変更)、走行距離も半分ほどと短縮された。そしてレースではモビスターがエースのために積極的にプロトンを牽引。ポガチャルとUAEも何もしなくても良い状態となった。
そしてポガチャルはそんなモビスターの動きを利用し、最終的には最後の最後だけちょっと本気で走ってステージ優勝という、実に上手く体力を節約した走りを見せた。
一方でTJは対照的な例として、つまり走り方が不味かった例として第8ステージを挙げる。そのときのレビュー記事などはこちら。
この第8ステージではポガチャルの総合争いにとって脅威になるような選手が逃げていなかったにもかかわらず、UAEはチームとして積極的に逃げを追う展開に持ち込んだ。
上の過去記事でも紹介したようにそれはチーム全体としてステージ優勝を狙うつもりだったからだが、それでもまだ「第8」ステージで、そのあともジロは続く段階だったわけで、ならもっと長期的な視野にたち余計な体力の消費を避けるほうが賢いわけだ。
だがその日のUAEはそれをせず気持ちのままにまかせて逃げを追い込んでいった。最終的にポガチャルがステージ優勝したので結果的にチームの作戦どおりとなったわけで、最近のグランツールで流行りの「(ボーナスタイムなどは)取れるときに取る」という観点からは正解だったかもしれない。
しかしそれでも長期的な視点でいうと、ポガチャル以外のチームメイトの体力を無駄に消費させたことにならないかということだ。ポガチャルはエースとして、アシストたちのはやる気持ちを抑えるべく指示を出すべきだったのではないかという考えだ。
そういう意味でTJは、ポガチャルはもう少し賢く走ったほうがいいと話す。
このジロのようにツール・ド・フランスでもポガチャルはやりたいように気持ちの赴くままに走るのか、それともジロとは戦略を変えて、自分だけでなくチームメイトの体力のことも考えたペースメイクを徹底するように走るのかが注目の1つとなる。
ふつうに考えるとツールでエヴェネプールやヴィンゲゴーが出てきたら、ポガチャルとしてもUAEとしても、こんな気ままな走りはしないでしょうね。
昨年のツールでも大人しく走ってたことはあったから、今年は昨年よりもさらに慎重に賢く走るようにするかもブヒね。