ビニアム・ギルマイの契約はどうなるのか？LottoとIntermarché-Wantyの合併はいまだ不透明

10月15日が来年度のプロチームとして活動するためのライセンス申請期限の第1締め切り期限だったわけだが、UCIはこの月曜日にその期限内に申請したチームの一覧を発表。そこに合併する予定のIntermarché-Wantyの名前はなく、Lottoの名前はあった。

だがそんな今でも合併が本当に実現するのかどうかは詳細な進展具合の情報が全くなく、不透明なままだ。そして仮に話は進んでいるとしてもその速度が遅いようにも思われる。その要因の1つとして挙げられるのがIntermarché-Wanty側の借金だ。それについては先日の記事【なぜLottoとIntermarchéの合併が遅れているのか？その原因はIntermarché側の多額の借金？】をみて欲しい。

また現在LottoとIntermarché-Wantyに所属している選手でも、自分が合併後のチームと契約できるのか、それとも契約がなくなるのかをきちんと知らされていない選手がいるようだ。この事情についても、記事【アダム・ハンセン「Lottoとアンテルマルシェの合併で解雇される選手リストを持っているから心配な選手は連絡をくれ」】を読んでおいてほしい。

そのような状況下で今でもIntermarché-Wantyのエーススプリンターであり、黒人選手の英雄であるビニアム・ギルマイの契約がどうなるかが宙に浮いた状態となっている。

情報源：Biniam Girmay’s future in limbo as Lotto-Intermarché merger drags on and November 1 deadline looms

合併についての新情報は？

両チームの合併の進展について次の情報が入る可能性があるとすれば、まず今日開かれる2026ツール・ド・フランスの公式プレゼンテーションだ。関係者が一同に勢揃いするため海外メディアの記者がそこで新情報を獲得するチャンスはあるだろう。

その次に考えられるのはUCIによる第2締め切り期限である11月1日前後か。そのあたりでなんらかの情報が伝えられるかもしれない。

UCIがギルマイの移籍を妨害？

UCIが発表したプロチームライセンス申請チームリストではワールドチームとしてLottoの名前があったわけで、これはLottoが法的にも合併後の新チームの所有権を持つということだろう。

だがUCIは2026年度ライセンス申請ができなかったチームの選手は早いうちにチームとの契約を打ち切ることができるとしていて、合併が失敗した場合でもIntermarché-Wantyの選手、ビニアム・ギルマイは同チームとの契約をさっさと打ち切り、別チーム（Israel-PremierTech？）に移籍することができると思われる。

関連記事：Israel-Premier Techがチーム名を来年から変更？ギルマイがIsrael-Premier Techへ移籍？

しかしUCIはそうした場合でもUCIルールと契約条項に従えと強調し、

Cyclingnews has been told that the UCI has somehow used its regulations to ‘block’ Girmay from terminating his contract as the 2026 registration process is completed and the final 30-rider roster is confirmed

訳「Cyclingnewsが聞いたところによると、UCIはそのルールをギルマイに契約を打ち切らせないよう使った節がある。2026年の申請手続きは完了し、新チームの30名の選手はすでに確定ずみだから」

と情報源記事に記載されている。これが具体的にどういうことなのか不明だが、UCIとしては、ギルマイが自由に動けるようになれば合併話がさらにややこしくなり、合併がさらに遅れて他の選手の契約にも大きな影響を与えかねないという懸念があったのかもしれない。ある程度手続きが進むまで大人しくしてろということかも。

すでに一部選手は合同で活動開始？

なお一部報道によれば合併後の新チームのCEOには現在Intermarché-WantyでCEOをしているJean-François Bourlart（ジャパンカップに来ていた）が就任するようだ。

さらに、Lottoの16人の選手とIntermarché-Wantyの8人の選手がすでにこの水曜日から3日間にわたる新チームの合同ミーティングに参加しているようだ。通常そうした場ではメディカルチェックやバイクフィッティングや来季のレース計画の話し合いなどが行われる。