2020ツール・ド・フランス第17ステージ

2020ツール第17ステージ感想:スロベニアに暗雲

ツール・ド・フランス第17ステージが終わった。その第17ステージは今年のツールのクイーンステージ(最難関ステージ)の1つ。そして、まさにこの日、それまで最強を誇っていたスロベニアンコンビについに小さな綻びが見えた。

MALの決定的な攻撃!

この日2つめの超級山岳にして、この日ラストの山頂ゴールとなるメリベル・コル・デ・ラ・ロゼ。その山頂ゴールから3.5㎞手前で、スーパーマンことアスタナのミゲル・アンヘル・ロペス(Miguel Ángel López:MAL)がついに本気で攻撃をしかけてきた!

2020ツール・ド・フランス第18ステージ メリベル・コル・デ・ラ・ロゼ
2020ツール・ド・フランス第18ステージ メリベル・コル・デ・ラ・ロゼ

一昨日まではチームメイトのルツェンコのステージ優勝以外は全く目立たない・・・そんな印象のアスタナとロペスだった。すっかりツールの主役はログリッチとポガチャルとベルナルだった。

しかし、ロペスはそんな三強にしっかりと食らいついていた。先日の第15ステージではいつの間にか総合4位にジャンプアップ。まるでこのツールがこうなることを予想していたかのように・・・・・・静かにスロベニアンコンビに背後に忍び寄っていた。

そしてこの第17ステージ。メリベル・コル・デ・ラ・ロゼの途中で総合3位だったリゴベルト・ウラン(Rigoberto Urán)が脱落。その結果ロペスは総合3位にジャンプアップ。その直後、ロペスが攻撃をスタートした。

この攻撃で勝負は4人に絞られた。ログリッチ、ロペス、ポガチャル、そしてログリッチの最終アシストのセプ・クス(Sepp Kuss)。

ところが、ここで誰もが「!?」となる光景が。なんと、ログリッチがロペスについていけない!ロペスをチェックすべくクスがその背後につけるが、エースのログリッチと、ログリッチをマークしていたであろうポガチャルが遅れてしまう。

そしてログリッチとポガチャルは二人でロペスを追うが、追いつけない。そして山頂ゴール手前ではついにポガチャルがログリッチについていけなくなる。

結局、この日ロペスはログリッチから15秒ほどを、ポガチャルから30秒ほどを奪うことに成功。その結果、総合順位ではログリッチとの差は1分26秒、ポガチャルと差は57秒となった。

ログリッチに暗雲か?次の第18ステージも相当ヤバイ

2020ツール・ド・フランス第18ステージコースプロフィール
©ASO 2020ツール・ド・フランス第18ステージコースプロフィール

明日の第18ステージもかなりの難関ステージである。

5つの難峠が登場し、1日の獲得標高は4000m以上となる。最後は超級山岳プラトー・デ・グリエールが登場。登板距離は6㎞程度だが平均勾配は11%!最大勾配15%!山頂の2㎞手前からはグラベル!!

たしかにログリッチの個人TTの強さを考えるとまだまだログッチ有利ではあるが、今年のツールで初めて見せた失速と苦しみ、そしておそらく疲労が溜まっている肉体のコンディション、さらにこれまで「無理をしなかった」ロペスの第17ステージでの好調さを考慮すれば、ひょっとしたら・・・というレベルではるが、ログリッチの頭上には暗雲が漂い始めている??

またこの日、今年のツールで初めて弱さが見えたという点ではポガチャルも同じである。第18ステージと第20ステージの個人TTを合わせれば、ロペスがポガチャルを逆転して総合2位になる可能性はそれなりにあると思われる。ロペスが個人TT強い印象はまったくないが、それでもそれなりにまとめ、ポガチャルのタイムが伸びなければ、第18ステージの結果如何では・・・という感じである。

ベルナルのリタイアとイネオスについて

結果論でしかないが、トリプルエースならば・・・フルームは無理だっとしても、せめてティレーノ~アドリアティコで好調さを見せたゲラント・トーマス(Geraint Thomas)とのダブルエースだったならば・・・という想いはファンもあるであろう。しかし、ツール直前の段階では二人とも仕上がったいなかったのも事実なのであろう。だったら仕方ない。

それはそれで仕方ないのだが、やはりツールの総合優勝だけに作られたチーム。エースがリタイアしてしまえば、他のメンバーはもう何もできなくなるという印象。

ステージ優勝を狙うという仕事は確かに残るが、イネオスのメンバーではそれはかなり困難である。あくまでエースをサポートするためだけのメンバーであり、ステージ優勝を積極的に狙うために選ばれた「専門家」ではない。またチームの戦略もそのために作られていない(たぶん)からである。

ステージ優勝を狙うならばどのステージに照準を当て、そのためにはどんな作戦を練り、どんなトレーニングをしてどのように力を伸ばすのかを考えて準備してきた選手と、エースがいなくなったからいきなり「じゃ、ステージ優勝を狙ってね」と言われる選手ではやはり結果は違ってくるであろう。もともとの能力が高くても、やはり事前準備の違いの差というのは大きいと思われる。

おまけ

ジュリアン・アラフィリップのヤバイ下り

6 thoughts on “2020ツール第17ステージ感想:スロベニアに暗雲

  1. スロベニアコンビにまさかのコロンビア大逆襲キター!って感じですね。
    昨日のロペスには呆気にとられました、悠々と軽々と激坂でポガチャルもログリッチも引き離すあの上りの強さ、ベルナル、キンタナの終戦にコロンビア勢全滅みたいな風潮が一日して覆された衝撃の上り…
    連日の引きでユンボトレインにも疲れが出てきたようにも見える、果たして今日のこれまたとんでもないコースプロフィールに何が起こるか「震えて待て」の気分、グランツールはこれだから面白い。
    リッチー・ポートも今夜だけ耐えていただきたい…と小さな願いを込めてw

    1. いやーここにきて俄然面白くなってきたブヒね。

      リッチー・ポートは最後はついていなかったけど、そこまではちゃんと残っていたしまだイケそうブヒね。今日の第18ステージでも後半しかけてくるかも??

  2. 予想通り3周目にロペスが動いてきました。しかもクイーンステージに圧倒的な強さを見せて。
    これでポガチャルはログリッチではなくロペスに気をつけなきゃいけなくなったので、アシストが足りない今の状況では相当厳しい戦いを強いられそうです。
    しかも山岳賞も狙えそうという状況ですから…どうなることやら

    それにしてもランダよ…今日は一体何がしたかったんだ…

    1. たぶん今日のステージでも、ロペスのチェックにはまずセプクスが入りそうブヒね。
      あとはワウト・ファン・アールトがどこまで踏ん張れるか。
      というか今日の時点ならセプクスが上り最強かも・・・

      バーレーン・マクラレーンはなぜあんな積極的に引いていたのか・・・
      たぶん標的は、ログリッチやポガチャルではなくて、ランダの上位にいたリッチー・ポートとアダム・イエーツだったのかな?
      それら2名を疲弊させ、蹴落とそうしてたら自滅・・・みたいな。

  3. 昨日は、ヴィノクロフ大佐のお誕生日だったそうです。
    だからロペスにステージ優勝を譲ったの??って感じ。

    ログリッチはギア比が軽いようで、回転数が多い=パワー不足?にも見えるが、まだまだ余力はあるのではないだろうか?
    何よりアシストが好調であることが一番有利である。
    ポガチャルは若い=回復が早い(?)ということだけが有利かな。

    Ineosは、昨日もカラパスでステージ優勝を狙うも捕まってしまい、作戦失敗。。。
    もう、カラパスで逃げるしか作戦がないのか?(残念)

    今日のステージは、総合3位争いで各チームが動き出せば、もしかしたらログリッチがダメージを食らう可能性もあるが、果たしてアスタナ、EF、TREK、ミッチェルトン、バーレーンは仕掛けてくるだろうか?
    それしか見どころが無い気がする。

    1. おそらくアスタナは総攻撃をしかけてくるはず。特にこれまでほとんど目立った仕事してなさそうなアシスト陣が不気味・・・

      リッチー・ポートとアダム・イエーツが協力して攻撃をしかけるとおもしろい展開になるはず。ロペスが動かざるを得なくなり、そうなるとログリッチもポガチャルも動かざるを得なくなり・・と連鎖的な展開が起こるはず。

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