事故後初めてヤコブセンがあの落車を語る。命を救った奇跡とは?
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世界中を停止させた新コロナにより、今年のロードレースは大きく破壊された。それでもなんとかグランツールやモニュメントなどのビッグレースは、関係者や選手の努力もあり無事に(?)開催することが出来た。狂乱の一年はつい先日までのことだったが、師走迫る今日から振り返るともうなんだか不思議なような、懐かしいような変な感慨がある。
短縮されたシーズンでもあったが、それでもいろいろなドラマ・事件が起こった。その中で最もロードレースの未来にとって重要な事件は、やはり、ツール・ド・ポローニュ(ポーランド一周)の初日に発生した、Deceuninck-QuickStepのファビオ・ヤコブセンとJumbo-Vismaのディラン・フルーネヴェーヘンとの接触事故であろう。
瀕死の重傷を負ったヤコブセンだが、今では奇跡的な回復を遂げ、すでにバイクトレーニングに復帰している。そして、今回ヤコブセンが、事故後初めてあの事故のときのことを、オランダメディアADに語った。
情報源:Jakobsen doet zijn indrukwekkende verhaal: ‘Elke keer dacht ik: dit is ’t, ik ga dood’
ヤコブセンの命を救った小さな奇跡とは?
あの事故で、ヤコブセンはフェンスに激突。それを突き破り、ゴールライン横にある障害物などに突っ込んでいった。上の動画をみてもらいたのだが、このとき、吹き飛んだヤコブセンに巻き込まれた人物がいる。コミッセール(審判)のおじさんである。動画で白いシャツのおじさんがゴールライン横にいるのがわかると思う。
このおじさんについて、ヤコブセンは次のように述べている。
,,Ja, en die UCI-commissaris waar ik bovenop ben geklapt. Hij stond achter het hek te filmen, maar hij was eigenlijk een soort menselijk stootkussen. Als hij daar niet had gestaan, was ik op de finishboog gekatapulteerd. Dat had ik niet na kunnen vertellen.”
訳「UCIの審判のおじさんがいたんやけど、彼の上に自分が倒れ込んだのよ。彼はフェンス際で動画を撮影してたんやけど、そんな彼がある意味でクッションになってくれたのよ。もしあそこに彼がいなければ、自分はゴールラインにそのまま頭から突っ込んでいって、頭をゴールライン横の構造物などに直接ぶつけることになってたやろね。二度と無いような奇跡よ」
そのUCIの審判も実は複数の肋骨の骨折という被害を受けているが、そのおじさんが人間クッションとなってくれたおかげで、ヤコブセンの頭部へのダメージが軽減されることになった。不幸中の幸いというか、ほんと奇跡としかいいようがない出来事である。審判おじさんには悪いが。
そして、倒れ込んだ直後のことも少し記憶にあるようで、
hij zag de paniek in mijn ogen. In een reflex heeft hij mijn hoofd gepakt en iets opgetild, zodat het bloed uit mijn mond en keel liep. Daarna werd ik rustiger, zei hij.
訳「チームメイトのフロリアン・セネシャル(Florian Sénéchal)が駆け寄ってきてくれたんやけど、彼がパニックになってたのを見てた記憶がある。あたり一面血だらけやったけど、彼は反射的にすぐに俺の頭を持ち上げて、口や鼻にたまってた血を取り除いてくれたのよ」
セネシャルがそうしているうちに、ヤコブセンは意識を失い、そこから先は病院で意識を回復するまで覚えていないもよう。
このセネシャルの行動については以前もブログで紹介した。ヤコブセンの命をつなぐべく適切に行動したヒーローの1人として、ヤコブセンも大きな感謝をしている。(過去記事→ディラン・フルーネヴェーヘンの今後)
大事ですねぇ、いざという時の応急処置と白シャツおじさん^ ^;
まぁ冗談はさておき改めて動画見ると凄い事故でした
その白シャツおじさんだって危うくゲートの支柱直撃だったわけだし… 恐ろし過ぎ