コロンビアの英雄ナイロ・キンタナ(Nairo Quintana)は、今年のツール・ド・フランス期間中に、UCIが禁止する鎮痛剤トラマドールを使ったとしてツール失格の処分を受けた。
しかし、その処分を不服としてキンタナは全面抗戦。スポーツ仲裁裁判所CASに訴え、UCI判断に異議を唱えて同裁判所で争っていた。
今回そのCASが判断を下した。キンタナ敗訴だ。
情報源:Court of Arbitration confirms Nairo Quintana’s Tour de France tramadol disqualification
CASはUCIの主張を支持、キンタナの主張を退けた。
CASの判断を簡単にまとめると次のような感じだ。
- キンタナのケースの判断は、UCIの権限内かつ管轄する事項であることを認める
- キンタナがトラマドールを使っていた事実も認められる
そして今回のCASの判断は最終的なもので、このCAS判断についてのこれ以上異議を訴えることはできない。
なおこれまでも書いたとおり、キンタナはツールの成績を剥奪されただけであって、今後のレースについて出場禁止処分などは課されない。
これは現時点でトラマドールはUCIによる独自規制でしかなく、世界アンチ・ドーピング機構WADAの禁止薬物リストではないからだ。ただしそのWADAも2024年からトラマドールを禁止薬物として指定する方針だ。
はたしてキンタナはこれからどうなるのか?
これまでのこの件についての以下の過去記事もどうぞ(上から時系列順)。
- ナイロ・キンタナが禁止薬物使用でUCIからツール失格へ。総合6位も剥奪。トラマドールの使用が原因
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