レビュー
Rapha



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2025パリ~ニース第8ステージ優勝のマグナス・シェフィールドが涙した理由と、ジーノ・メーダーへの想い
昨夜の2025パリ~ニース最終日の第8ステージでワールドツアー初勝利を飾ったマグナス・シェフィールド(INEOS Grenadiers)。22歳のアメリカ人選手だ。
その彼が昨夜のフィニッシュで涙を流したわけは、ワールドツアー初勝利というのもあっただろうが、それだけでなく、亡きジーノ・メーダーへの想いがあったからだろう。
話は1年少し前に遡る。2023年のツール・ド・スイスに出場していたマグナス・シェフィールドはその第5ステージで、当時新城幸也のチームメイトでバーレーン・ヴィクトリアスの選手だったジーノ・メーダー(Gino Mäder)とともに下りのコーナーで落車し、崖下へ転落した。
当時のことを伝えた記事が下のものだ。また読んでほしい。
このときマグナス・シェフィールド自身は脳震盪だけですんだが、ジーノ・メーダーは意識不明状態で病院に搬送されたものの死亡が確認された。
シェフィールドはジーノ・メーダーのことを個人的に親しいわけではなく、あまり交流はなかったが、それでも同じ大会、同じ日に同じ場所で落車した結果、自分だけが助かり、メーダーが死亡したことにショックを受けた。
単に脳震盪というだけでなく、そうした精神的な影響もあり彼は数ヶ月レースから遠ざかっていた。当時21歳でプロ2年目になったばかりの彼にとってそれはかなり衝撃的な経験だったであろうことは想像に難くない。
## シェフィールド「ジーノ・メーダーに捧げる勝利だ」
今回はまさにそうした悲しい経験からの復活勝利となったわけだが、フィニッシュ後に彼は次のように述べる。
“There are so many people I want to thank but I think the most important person I want to really dedicate this win to is Gino Mäder.
訳「とても多く人に感謝をしたい。だがやはり自分にとって最も重要な人物であり、この勝利を一番誰に捧げたいかといえば、それはジーノ・メーダーだ」
ワールドツアー初勝利というだけでなく、こうした悲運を乗り越えての勝利ということが、彼の目を濡らしたのだろう。