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フィリピン初のワールドツアー選手誕生に向け、欧州挑戦を続けるVictoria Sportsのプロジェクト

フィリピン初のワールドツアー選手誕生を目標に、ヨーロッパへの挑戦を続ける同国のコンチネンタルチームVictoria Sports Pro Cyclingの壮大なプロジェクト

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情報源:The Ambitious Team Working to Deliver the Philippines’ First WorldTour Rider

ロードレースの本場としてロードレース界の中心地であり続けているのは現在でもヨーロッパである。

そしてそのヨーロッパでは世界各国の多くの若手選手がワールドツアー入りを目指してしのぎを削っている。

しかし近年、アジア各国でも独自の発展が進み、新たな才能の発掘と育成に力を入れるチームが増えている。

その中で注目を集めているのが、フィリピンのコンチネンタルチーム「Victoria Sports Pro Cycling」だ。同チームは単に国内レースで結果を残すことではなく、「フィリピン人選手をワールドツアーへ送り出す」という明確な目標を掲げて活動している。

フィリピン自転車界が挑む大きな壁

現在の男子ロードレース界において、フィリピン出身選手がワールドツアーやプロチームに所属した前例はない。

さらに、フィリピン人選手がヨーロッパのUCIレースで勝利を挙げた実績もなく、国際舞台での存在感はほぼゼロといっても良いだろう。

UCI国別ランキングでもフィリピンはアジア上位国に後れを取っており、ベトナムやマレーシア、韓国などの後塵を拝している状況にある。そのため、欧州への道は極めて険しいというのがフィリピンの現状である。

コロナ禍後の自転車ブームから誕生したチーム

さて、Victoria Sports Pro Cyclingは2023年に発足した比較的新しいチームだ。母体となるVictoria Sportsは、首都マニラに拠点を置くフィリピン有数のスポーツ・フィットネス施設運営企業らしい。

おもしろいのは、その設立の背景に、コロナ禍をきっかけにフィリピン国内で発生した自転車ブームがあったという点だ。

健康志向の高まりや通勤手段としての利用増加により、自転車人口が急増。国内のサイクリング文化も大きく発展したようだ。

当初からチーム運営陣は、単なる国内レース中心の活動ではなく、欧州への進出を視野に入れた育成システムの構築を目指している

欧州レースへの挑戦によるフィリピン初のワールドツアー選手誕生が最大目標

同チームを率いるパコ・オチョアGMは、フィリピン自転車界に不足しているものとして「欧州で戦う機会」を挙げる。これは日本でも同じだろう。

ロードレースの最高峰は依然としてヨーロッパにあり、世界トップレベルの選手やチームとの競争を経験しなければ、ワールドツアーへの道は開けない。

そのため同チームはスペイン・アリカンテに活動拠点を設置し、選手たちがヨーロッパのレース環境に触れられる機会を積極的に創出している。

これはアジアのコンチネンタルチームとしては珍しい取り組みであり、将来的なステップアップを見据えた長期投資ともいえる。

そしてVictoria Sportsが掲げる最終目標は非常に明確だ。

それはフィリピン人選手を欧州上位カテゴリーへ送り出し、最終的にはワールドツアーチームで活躍する選手を誕生させることだ。

チーム首脳陣は、たとえ一人でもワールドツアーへ進出できれば、フィリピンのロードレース界全体に大きな影響を与えられると考えている。

成功例が生まれれば次世代の選手たちの目標となり、競技人口やスポンサー投資の増加にもつながる可能性がある。

アジアロードレース発展の象徴となるか

近年のアジアロードレース界では、日本、中国、マレーシア、カザフスタンなどから世界レベルで活躍する選手が誕生してきた。

また特に中国でのレースはワールドチームにとっても大きな関心となっている。その理由はワールドチームの降格・昇格制度の導入だ。各チームはUCIポイントを合理的かつ効率的に稼がなければならない。

この点について書いたのが、過去記事「なぜツアー・オブ・ハイナンの重要性が高まっているのか?増しつつある中国レースの存在感」だ。また読んでもらいたい。

フィリピンは豊富な人口と高い自転車人気を持つが、まだまだロードレースの世界では日本と同じく選まだ発展途上だ。

Victoria Sportsの取り組みは、単なる一チームの挑戦にとどまらない。フィリピンという新興サイクリング市場が、世界のプロロードレース界にどのような存在感を示せるかを占う試金石ともいえる。

正直な感想としては、フィリピン初のワールドツアー選手が誕生する日はまだまだ何年も先のこととなるだろう。

しかし、その夢に向かって着実に歩みを進めるチームが存在することは、アジアのロードレース界、ひいては若い世代の獲得競争が激化しているヨーロッパのロードレース界にとっても非常に重要な意義を持つのではないだろうか。

日本も負けてはいられない。

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