スロバキアはマッサージ師だけ出走!世界選手権にチームのマッサーが突然放り込まれる事態に。一体何があったのか?

スロバキア代表チームはチームのマッサージ師だけを出場させることに。なぜそんなことになったのか?

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昨夜は2026世界選手権女子エリートロードレースが開催され、大規模落車で優勝候補たちが複数消えていく中、序盤から圧倒的チーム力でレースを完全支配したオランダの女王デミ・フォレリングが優勝した。

そして今夜はついに男子エリートロードレースが開催されるわけだが、かつてロックスターと称され世界選手権男子ロードで歴史上唯一三連覇を達成したピーター・サガンを生んだスロバキアがとんでもない状況になっている。

なんと、代表チームでマッサージ師を務めるスタッフが急遽たった一人の代表選手として走ることになったのだ。

代表チームのマッサージ師が世界選手権出場。一体スロバキアに何があったのか?

情報源:Slovakia Team Masseur Thrust Into Elite Men’s Worlds Despite Last Competing Nine Years Ago

実は今大会スロバキアには4人の出場枠が与えられていた。しかしその4枠を現役選手で埋めることができなかったのだ。

もともとスロバキアは次の3名を代表として派遣する計画があった。

  • マルティン・スヴルチェク(23、SoudalーQuickStep)
  • マティアス・シュヴァルツバッハー(20、EF Education-EasyPost)
  • ルーク・クビシュ(26、Unibet Rose Rockets)

このうちマルティン・スヴルチェクはU23世界選手権で銀メダルと銅メダルを獲得した経験を持つ。そしてマティアス・シュヴァルツバッハーもベイビー・ジロことジロ・デ・イタリア・ネクスト・ジェンでステージ優勝をしているような選手だ。

しかし両名はともに負傷中のため出場が無理だった。

さらにルーク・クビシュについても所属するUnibet Rose Rocketsが今大会への派遣を認めなかったのだ。

スロバキアはこのように代表チームを作り上げることがそもそも困難な状況だった。

いきなり世界選手権を走ることになったマッサージ師とは?

そしてそんな非常事態を受けて代表に唯一の選手として緊急措置として選ばれたのが、スロバキア代表チームでマッサージ師(マッサー)として働く28歳のウラジミール・コヴァーチクだ。

彼は突然世界最高峰の舞台である世界選手権に放り込まれることになった。

🐷「いや、それでもさすがになんでただのマッサーを選ぶんや……」

誰もがそう思うことだろう。

だがこのマッサーのウラジミール・コヴァーチクは、実はもともとアマチュアレベルで自転車競技をやっていた人物。

2017年までは現役の選手として活動していた。ピーター・サガンがいた時代のスロバキア選手権にも出場している。つまりアマチュアカテゴリーだったとはいえ競技経験がちゃんとあるマッサーだ。

だが2018年からは全くレース活動の記録がなく、おそらく8年以上実際のレースから遠ざかっているものの、ロードレース選手としてのライセンスはまだ保持しているようだ(だからこそ出場はできる)。

なぜスロバキアはマッサージ師ですら走らせなければならないのか?

そこでもう1つの疑問が生まれる。それは、

🐷「マッサーを走らせるぐらいなら、もうチームとして棄権すればええやん」

こういう疑問だ。

しかしスロバキアにはそれが許されない、何が何でも代表選手を走らせなければならない事情があった。

それは、スロバキアが世界選手権に選手を出場させなかった場合、同国の国内選手権は2027年にカテゴリーBへ降格することになっているからだ。そうなれば、国内選手権の上位選手に与えられるポイントが大幅に減ってしまうのだ。

具体的には、スロバキア選手権で優勝してもその国内王者に与えられるポイントは半分になってしまう。さらに2位についても本来のポイントの約3分の2しか与えられないようになってしまう。

その結果失うポイントは数百ポイントに達すると見込まれ、それはワールドツアーのステージレースで総合優勝した場合に相当するポイントである。それをピーター・サガン時代の終わったスロバキアの選手たちがワールドツアーなどで獲得するのは難しい。

だからこそ、男子エリート・ロードレースにたとえ形式的なものであっても誰かを出場させるなければならなかったのだ。

またそうした事情に加えて来年からは2028年オリンピックの出場資格を争うシーズンも始まる。その五輪のためにもUCIポイントを無駄に失うわけにはいかない。

そしてルール上、世界選手権の選手登録は9月11日に締め切られており、その時点から別の選手を新たに招集することはできなかったという事情もあった。

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