【0.0002秒差】UECがレムコの写真判定勝利について声明発表。2026ヨーロッパ選手権男子ロードレースでのレムコとチッコーネとの差は約2mm~3mm

2026欧州選手権ロードの写真判定の結果、レムコは0.0002秒差での勝利。その写真判定の仕組みを解説。

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先日行われた2026欧州選手権男子ロードレースで、ベルギー代表のレムコ・エヴェネプール(Red Bull-BORA-hansgrohe)とイタリア代表のジュリオ・チッコーネ(Lidl-Trek)の勝敗を分けたのは、ごくわずかな差だった。

情報源記事によると、写真判定を担当したEvoDataのシステム(使用カメラはEtherLynx Vision PRO X)の計測差は0.0002秒(0.2ミリ秒)。スプリントの速度から換算した推定差は2.8〜3.3mmだった。

情報源:FOTOFINISH EUROPEO. EVODATA SPIEGA LA TECNOLOGIA, I PIXEL, I 3 MM… IL COMUNICATO DELLA UEC

そして今回の結果についてジュリオ・チッコーネはレース後にフィニッシュライン上での写真を求めるなどの主張をしていたが、主催側UEC(Union Européenne de Cyclisme)が今回の写真判定の結果について公式声明を発表した。

レムコとチッコーネの写真判定についてのUEC公式声明

“The Union Européenne de Cyclisme (UEC) informs that the photo-finish system used at the 2026 UEC Road European Championships (EtherLynx Vision PRO X) records the finish line thousands of times per second (13,000 in the specific case of the European Championship races), making it possible to determine the finishing order with extreme precision, even when the differences are minimal.


It is important to clarify that a photo finish is not a traditional photograph. The final image is composed of the chronological sequence of recordings made at the finish line; for this reason, the horizontal axis represents time, not distance. This can create apparent distortions of wheels, bicycles and riders, without any impact on the accuracy of the result.


In cycling, the determining reference is the most advanced part (tangent) of the front wheel at the moment it reaches the finish line. At the European Championships, two independent photo-finish systems were used, providing two separate images to verify the result.


The UEC will make no further statements on the matter.”

この声明の内容を簡単に説明すると次のようになる。

すなわち、

2026年欧州ロード選手権の写真判定システムは、フィニッシュラインを毎秒1万3000回記録し、ごく僅かな差でも高精度で着順を判定できる。

写真判定画像は、フィニッシュライン上の記録を時系列に並べたもので、横軸は距離ではなく時間を表す。このため、車輪や自転車、選手の姿がゆがんで見えることがあるが、判定の正確性には影響しない。

着順は前輪の最前部がフィニッシュラインに達する瞬間を基準に決定する。今大会では独立した2つの写真判定システムの画像で結果を検証した。

UECはこの件について追加の声明は出さない。

というものだ。

ロードレースにおける写真判定システムの仕組みとは?

撮影されるのは実際のフィニッシュラインではない

写真判定の写真はどのタイミングで撮影されるのかというと、実はフィッシュライン上ではなくその少し手前だ。次の画像を見て欲しい。

ロードレースの写真判定用の撮影システム
写真判定の撮影のタイミングのイメージ図

これはあくまで大雑把なイメージ図だが、ロードレースの写真判定の仕組みはこのようになっている。

なぜなら、フィニッシュラインは通常は黒色であるがゆえにそこにタイヤが重なると黒と黒になるため写真撮影してもタイヤを見分けることが困難だからだ。

そのためフィニッシュラインの少し手前に写真判定用の撮影ライン(?)が設定されている。この撮影ポイントが実際のフィニッシュラインに近ければ近いほど正確に着順を判断できる。

ちなみに2021アムステル・ゴール・ドレースではワウト・ファン・アールトが優勝したが、そのときは主催者側のミスでフィニッシュラインの27cmも手前に撮影ポイントが設定されていた。

それゆえ本当に実際のフィニッシュラインに先に到達したのがワウト・ファン・アールトなのかについて実は疑問の余地がゼロとは言えない。

横軸は「時間」

写真判定は通常のカメラでゴールの瞬間を連続的に撮影したものではない。撮影ライン上の幅1ピクセルの細い領域を繰り返し記録し時系列に並べた画像だ。

横軸が表すのは距離ではなく時間。上述のようにUECは車輪や自転車が変形して見える場合も結果の正確性には影響しないと説明した。

前輪の最前部を、毎秒1万3000回の記録で確認

選手のバイクにつけられた発信機(トランスポンダー)は速報や補助に使われるが、僅差の着順を決めるのは光学式の写真判定システムになる。

記事に掲載されたUECの声明によると、今大会のシステムは撮影ライン上のシーンを毎秒1万3000回記録。

着順の基準は前輪の最も前に出た部分がラインに達する瞬間であり、それを独立した2つの写真判定システムによる画像で結果を検証し、レムコ・エヴェネプールの優勝が確定となった。

同着なら、実は特別措置「dead heats」も存在する

実はUCIが審判向けに提供している実務ガイドの中に、同着扱いとなった場合に「dead heats」という名称の1kmのスプリント勝負(両者停車した状態からスタート)を実施し、その結果で勝者を決める」という記載がある。

次の画像を見て欲しい。

UCI, Practical guide for the finish judge(2022、ウルグアイ自転車連盟のPDFから)

ただしこの「dead heats」が行われる条件として、

  • 写真判定がない場合
  • 世界王者などのタイトルを決定する場合

というものがある。現代ではタイトル戦となる重要なUCIレースでは写真判定システムが導入されていないものはないと考えられる(ひょっとしたらある?)ので、あまり適用される場面はないかもしれない。

またこれはあくまで審判向けの実務ガイドでの記載であり、いわゆる一般的なUCI規則とは異なる、おまけレベルものであって一律に適用されるものではないと考えられる。

しかし同着の場合にはこういう補充(おまけ)措置もあるといえばある。

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