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ヒルクライム用の超軽量バイクは無意味?山岳レースでも不利になるたった1つの理由。

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情報源:Is a climber’s bike or an aero bike best for a mountain stage in the Tour de France?

 

最近はロードバイクの各ブランドがエアロロードバイクに注力して販売してる。一方で、山を登るための超軽量バイクとしてクライミング用・ヒルクライム用のロードバイクも併売して展開してる。

 

しかし、ツール・ド・フランスなどの山岳ステージであっても、そのようなヒルクライム用ロードバイクは本当に有利なのか?そんな記事のご紹介。

 

なお、今回の記事は、UCI規定が関係のないアマチュアレースや、日本で人気のたった1つの山をただ1回登って終わるだけのただのイベントや、そもそも乗鞍などを除いて、小さな山しかない日本のレースにはあまり関係ない。

 

あくまでヨーロッパでのプロのステージレースで大規模な山岳を1日に数個登り下りする場合の話。

 




 

 

(1)山岳レースでは、ヒルクライム用バイクとエアロロードバイクの重量差に意味はない。

LOOK 785 Huez RS
Look Cycle Twitterより LOOK 785 Huez RS

 

知っての通りプロのロードレースにはUCIによる重量規制がある。それはバイク完成車として、つまりホイールとかサドルとか全部含めて、6.8kgより軽いとアカンというもの。まぁ、このルールはしばらくしたら変更されそうやけど。

 

メーカー側は上述のようにヒルクライム用バイクを市場に展開してる。

 

たとえばLookは最近、Look 785 Huez RSという新作ロードバイクを投入。これは5.9㎏という超軽量ヒルクライムバイクや。

 

このようなUCI規定を無視したバイクは工夫をしないとプロのロードレースでは使えへん。そこで、ちょっと一工夫。ようするに重くするんやね。重りをつけて。わざわざ。せやから、レースではぶっちゃけ超軽量バイクの意味があらへん。

 

同じくメーカー側はエアロロードバイクに最近注力し、開発・販売してる。フレームの形状についてもわりと厳格なUCIの規定があるんやけど、そのうちこれもちょっとは変更されるやろう。

 

で、昔はエアロロードバイクというのはある意味フレームに「余計な細工」をするわけやから普通のシンプルなロードバイクよりも重たかった。でも、技術の進歩により昨今のエアロロードバイクはUCI規定の6.8kgに近い軽さを達成できるようになってる。

 

たとえばメリダの新Reactoは6.8kg。ScottのFoil RCでも7㎏を達成できる。

 

そもそもフレームだけの重さやなくて、バイク全体での重量規制やから、フレーム以外の部分で軽さを実現できればそれでええわけで。

 

さて、こうなってくるとプロのロードレース業界では重量という点で、ヒルクライムバイクとエアロロードバイクの差なんてほぼあらへんに等しい。最初からエアロロードバイク選んどけば、わざわざ重りをつけてUCI規定を遵守する努力も不要。

 

とはいうものの、ヒルクライム用バイクに乗る選手も多い。それはその種のバイクを売りたいスポンサーの意図もあるからね。そこはそれよ。忖度(?)よ。



 

 

(2) ヒルクライム用バイクが山岳レースに不利になるたった1つの理由:重要なのは下りと平地だから。

①下りでのエアロロードバイクの優位性

 

今年のツールを見ててもわかるやろうけど、近年のロードレースは総合優勝を狙うようなプロの実力が平均化されて、伯仲してる。科学的トレーニング方法の確立などで、これまでは超一流とそれ以外で差があったけど、現代のロードレースではプロの実力はだいたい似たり寄ったりになってるということ。

 

平均的なプロは、体重1キロあたり6.2キロワット(PWR6.2)を出し続けられる。でもそれはみんな同じ。それ以上の「圧倒的PWR」を持ってる選手なんておらへん。結局みんな同じようなもんよ。スプリンターとかの一瞬での爆発的パワーとは別の話な。

 

差がつくのはその日の体調とか、レースに向けての調整の度合いとか、レースの展開(有力勢がお見合いして膠着するなど)とか、そして落車とかそういうとこで差がつく。

 

それに加えて、タイムトライアルでの成績。今年のジロ・デ・イタリアでのドュムラン(大)の優勝を見ればわかる。みんなこれをわかってるから、全盛期のランスアームストロング&コンタドールも、ウイギンスもフルームも、みんなTTが強い。 ま、山岳ステージの話やから、TTの話はちょっと横に置いておいておく。

 

とりあえず、もう登りで勝負をつける時代は終わったとはいわへんけど、登りでライバルに差をつけるという戦略は現代ではあまり重要ではない。

 

では、TT以外のところでは?

 

登りで差をつけられないとすれば、どこで差をつける?どこで秒差を稼ぐ?

 

そう、それが下りや。

 

長い登りが複数あれば、長い下りも複数あるということや。(この点で上述のような日本のレースやヒルクライムイベントとは関係のない話)

 

今年のジロ・デ・イタリアの最難関ステージ、第16ステージを思い出してほしい。ステルビオ峠を通ったステージ。勝利したのはニバリ。
このステージで、ニバリが乗ってたのはメリダのヒルクライム用バイクのScultura。こいつでステージ優勝した。

 

 

で、思い出してほしいんやけど、このステージで、ニバリは下りでアタックをかけた。ニバリはそもそも下りが得意やからできる芸当やけど。追いすがるキンタナを下りで突き放した。そして先頭を独走してたチームSkyの選手においつき、最後は二人のスプリント勝負となって競り勝った。

 

この時の下りは距離18㎞にわたって標高1226mを下るもの。平均斜度は7%。30個以上のコーナー。

 

情報源記事によれば、ニバリはこの下りを平均時速60㎞以上で、17分15秒で下り終えたらしい。

 

で、メリダはこの時のニバリの下りについて、実際乗ってたSculturaではなく同社のエアロロードバイクReactoならばどうなるかを計算した。

 

すると、20秒の短縮が可能となった。つまり、17分15秒→16分55秒で下れると。キンタナからさらに20秒のボーナスを削れると。

 



 

 

②平地でのエアロロードバイクの優位性

 

さらに、小柄なクライマーは普通は平地が弱い。平地が高速化しとる現代のロードレースでは平地の速度も必要。メカトラやパンクで集団から離れてしまった場合にも高速で走る集団に復帰せなあかん。できるだけ速く、できるだけ省エネで復帰したい。

 

そこでも役立つのは、エアロロードバイクですよ。ワシみたいな豚には意味ないけど、プロみたいな別次元の速度で走ってる人間には、空気抵抗の存在はかなりでかいからね。空気抵抗の軽減による速度UP、省エネが狙えるエアロロードバイクは最適。

 

たぶん。ワシはそんなレベルの領域で走ったことないし、エアロロードバイク乗ったことないから、そんな言うほど差あるのかわからん。

 

そしてクライマーでエアロロードバイクといえば・・・・・そう、元カチューシャの劇坂最強おじさんこと、ホアキン・ロドリゲス。今はバーレーン・メリダで広報大使かなんかやってるはず。ホアキンはCanyonのエアロロードバイクがお気に入りやった。

 

 

 

(3) 結論:エアロロードバイク買っとけ。

 

というわけで、今回の情報源記事には以上のようなことが書いてある。うん、ただのエアロロードバイクの宣伝やな。

 

ま、プロのしかも本場ヨーロッパでの山岳レースでの話やから、ワシみたいなゆるポタ勢や、あるいはガチ勢のおまいらにとってもあんまり関係ない話やけどな。

 

とりあえず、みんなエアロロードバイクを買っとけばええんや。

 

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(関連する過去記事とか、1つ前・後の記事は下のほうにあるで)

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10 Comments

  1. ヒルクライムバイクとエアロバイクはフレームの重心位置が違います。登りはやはりヒルクライムバイクの方が有利ですよ。単純な重量だけの問題ではありません。

    • ロードバイクにおいて、かっこよさは正義!

      峠の速さは・・・・・うんまぁがんばろう!

  2. たとえエアロロードで下り20秒早かったとしても、登りで20秒遅くなるかもしれなくない?

    • はい、もちろんそうなるブヒね。ま、あくまで同じレベルの者同士での比較みたいなもんですわ。机上の空論というやつブヒ。

  3. 重量ばかりでジオメトリー等は触れないんですか?
    視野の狭い考え方はアンチ増やしますよ?

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