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専門家「WADA検査方法の誤りを指摘する論文は、フルームにとってあまり援護にはならない」

ロードバイクとロードレース

 

昨日の記事で、The Times紙が報道した、とある臨床薬理学の論文の話をしたやん?それはWADAの検査方法の無意味さを指摘する論文。

 

【フルームのサルブタモール問題】イギリス薬学専門誌「WADAが間違っている」

 

ところがそれを詳細に読んだ別の専門家は、その論文の内容が正しいとしても、フルームにとってはあまり意味がないと言う。

 

情報源:Expert on new Salbutamol study: ‘Not a game-changer’ for Froome case

 




 

 

WADAの検査方法の不正確さを指摘する論文が、なぜフルームへの援護射撃にならないのか?

 

チームSkyとクリス・フルーム
from Team Sky Twitter

 

①論文の要約

 

まず昨日ネタにした論文の内容は、乱暴にまとめるとこうや。

 

「WADAが許容してる量のクスリ飲んでも、尿検査でひっかかってしまう結果になるやん!ちょっとこれどうしてくれんの!」

 

こんな感じ。だから尿サンプルどうこうと、摂取量は科学的に関係ないと。乱暴にいうと、なんぼ呑んでも出ーへんときは出ーへんし、逆にたいして呑まなくても出ることもある。

 

 

 

②論文について専門家の見解

 

で、その論文を読んで、それがフルームへの援護射撃にはならないと言うのは、英国のSheffield Hallam Universityという大学で教えるDr. Tom Bassindale。

 

警察の科学捜査とか裁判の鑑定とかで解剖する法医学の先生いやはるやん?この先生はそれをしてる人。特に毒物が専門。日本のドラマでアンナチュラルってあるけど、あの世界。ワシは全くみてへんけど。

 

で、この先生はこう指摘しとる。

 

He pointed out that the study is based on modeled data taken from previously published works, and is not based on real-time independent samples.

 

訳「Dr.Tomの指摘は、、今回の論文の研究はあくまでこれまでのいろんな研究から得られたデータに基づく、モデルとしての実験の結果にしかすぎず、それらとは独立した環境から得られた実際のサンプルに基づいた結果とちゃうやん、というものや」

 

これが何を言おうとしてるんか、理系じゃないとようわからんかもしれへんけど、次の発言でようわかる。

 

“They did not take into account anything like the condition of an athlete in a grand tour,”

訳「その研究者は、実際のグランツールを走ってる選手の環境とか一切考慮してへんやん」

 

ようする、上記論文の研究結果ってのは、現実のグランツールを走る選手の肉体がどうなっているかとかは一切考えずに、普通の状態における最大公約数的なデータに基づいた抽象的な、乱暴にいうてしまえば、「まぁたしかに実験室の中ではそうやろ」みたいな感じの結果でしかないやん、というてるわけやね。もっと乱暴にいえば、非現実的やと。

 

大事なのはあくまで、グランツールを走っている選手の場合ならという設定で実験することであって、そうじゃない設定で実験しても、それは現実とは違うやろ、と。そんなん、たいして参考にならへんよと。

 

グランツールを走る選手ってのは、脱水症状が起こってたり、ヘマトクリット値がえらいことになってたり、尿の成分も通常とは違ってたりといろいろ、普通じゃない肉体になってたりする。そういう要素を考慮して実験せなアカンと。

 



 

今回のその論文の内容はそういういろんな考慮すべき要素が欠落した実験による結果にすぎひんから、論文と、現実のフルームのデータどうこうとはあんまり関係がない言うてるわけやね。「よそはよそ、うちはうち」「それはそれ。これはこれ」というやつ。

 

一方でこの先生はこんなことも言うてる。

 

“What I fully agree on is that you cannot tell the [dosage] from the concentration in a urine sample. Most toxicologists I know would be uncomfortable or would refuse to do so.”

 

訳「ワシも全く同じ意見やけど、尿サンプルの濃度を調べたところで摂取量がなんぼかなんてわからへんよ。ワシの知る限りほとんどの毒物学者は、尿サンプルから摂取量を割り出せとか言われてもイラっとくるやろうし、断固拒絶するやろうね」

 

ほー、そんなもんなんやね。つまり、尿の中の濃度と摂取量は科学的に無関係と。これは、上記論文と同じ内容やね。だから論文の内容はそれ自体は正しいんやね。

 

でもま、フルームの場合は摂取量がどうこうじゃなく、尿から出た値どうこうの問題やからね。尿からの数値でアウトかセーフか決まるだけ。そういうルールになっとるからね。別に尿から推測される摂取量が正確かどうかなんて直接には関係ないわけで。

 

一方、フルーム側はルールそのものに欠陥があって、合理性がないと反論するやろね。これは憲法学でいう違憲訴訟での法令違憲というパティーンやね。

 

また、ルール自体は攻撃せずに、ルールの適用の仕方とか適用の過程にイチャモンつけることも考えられる。グランツール走行中のフルームの体の特殊性が結果に影響及ぼしたはずやから、そういった個別具体的あるいは例外的事情を一切考慮せず判断するのはおかしいという反論やね。

 

こっちは憲法学でいう違憲訴訟での適用違憲というパティーン、あるいは行政学上の考慮すべき要素の選択とその評価過程とにおける合理性の欠如というパティーンやね。日光太郎杉事件の高裁判決的なやつ。

 

でもま、何をどこまで考慮するかも当局に合理的な裁量あるやろうから、そういった反論しても「合理的な裁量」を逸脱・濫用してへんかったら、別にどうこうならへんけどね。

 

(今日のおまけ:最近読んだ本やと、HARD THINGS(Amazon)もおもしろかった。アメリカのとあるネット企業の起業から会社消滅までの経営者の物語なんやけど、面接の時の質問の方法と工夫とか、資金調達の苦労とかをなかなかスリリングに読める。あんまりサラリーマンには関係ない世界やけど、起業家・経営者の苦労を楽しく読める。あと、人生ってのはだいたい嫌なことや問題は続けて起こるのがよくわかる。おすすめ。HARD THINGS

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