シマノの謎のバイクのレビュー・感想 by アレックス・ハウズ
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今年からツール・ド・フランスでニュートラルサービスを提供するのは、マヴィック(Mavic)ではなくシマノ(Shimano)となっている。ツールだけでなく、ASO関連のレースの多くでシマノがそれを提供する。
そして先日のフレッシュ・ワロンヌ(Flèche Wallonne)でも、シマノはニュートラルサービスを提供していた。そんな当日、衆目を集めたのが、次のシーンだ。
シマノ、役に立つ pic.twitter.com/6r8H125npz
— ワイアードの豚 (@piginwired) April 21, 2021
アレックス・ハウズ「ぐっばい、シマノ」 pic.twitter.com/MRwCsUzq8s
— ワイアードの豚 (@piginwired) April 21, 2021
これはチームEFの選手でアメリカ王者のアレックス・ハウズ(Alex Howes)が、チームバイクであるCannondaleの後輪にメカトラが生じたため、急遽シマノのニュートラルバイクに乗り換えて走っているシーンである。
このシマノのニュートラルバイクの正体とスペックについては以前に紹介してある。以下の過去記事を読んで欲しい。
ただ本当に彼が当日に乗ったのが、この過去記事で紹介した中華カーボンバイクのPardus Robin SLなのかどうかは不明だ。というのもシマノはベルギーのレースでは、ピナレロのDogma F12sをニュートラルバイクとして提供していることが多いからだ。
上の画像を見る限りでは、そのフレーム形状からしてDogmaではないとわかるが、実際にじゃあPardus Robin SLなのかどうかはわからない。また別のブランドのバイクかもしれない。
さて、ハウズは数分程度で予備のチームバイクに乗り換えるのかと思っていたが、チームカーがなかなかやってこれなかったため、かなりの時間そのニュートラルバイクに乗っていた。そんな彼がニュートラルバイクについてレース後にその感想を述べている。さて良かったのか、悪かったのか?
情報源:‘I felt like a kid on my dad’s bike’ – Howes calls on neutral service at Flèche Wallonne
まず、ハウズはプロ生活の中でもニュートラルバイクに乗ったのは初めだったと述べている。そして、
“it certainly didn’t feel good,”
訳「(ニュートラルバイクがどんなものであれ、乗り慣れたチームバイクとは違うのだから)やっぱりあんまり良い感じはしないね」
やっぱり完全に自分仕様に設定されているチームバイクが一番だろう。
“I felt like I was a kid riding my dad’s bike or something. The saddle was pretty high and the bars were pretty wide. Everything was pretty off but I was certainly thankful to have it when I did.
訳「子供のころにパパの大人用自転車とかに乗ってたような感じ。サドルはかなり高めだったし、ハンドル幅もかなり広め。もうね全てが自分の適正サイズとズレてたけど、あれのおかげで逃げを続けることができたのは確かやからね。そこは感謝」
一方で、そのサイズ違いのニュートラルバイクが彼の肉体に良い影響を及ぼした可能性も指摘している。
どういうことかといえば、まず長い間逃げていると同じポジションで同じ筋肉だけを使う時間が長くなり、肉体がちょっとした硬直状態になってしまう。しかし、普段のバイクとは異なる種類・サイズのバイクに乗ることで、それまでのポジションとは違うポジション、違う筋肉を使った乗り方になるため、体がある意味でリフレッシュされるような効果があるということだ。
(‘A`)「おー、なるほどね」
ちなみに、彼が普段使っているペダルはWahooに買収されたSpeedplayのペダルだったが、ちょうどうまい具合にシマノのニュートラルバイクにも彼のSpeedplayクリートに適応するペダルがついていたようだ。
ただしシートポストの固定力がどうも弱かったようで、何度も何度もシートポストが下がっていき、そのたびにサドルから腰を外してシートポストを引き上げるという手間をかけざるを得なかったと述べている。
速さや剛性についての感想は述べていないようだが、大雑把にまとめると「まぁないよりはずっとマシ」ということになるか。
なおハウズがニュートラルバイクを上述のようにけっこう長い時間使わざるを得なかった理由はチームカーが1台しか用意できなかったことになる。普段ならば2台体制となっているのだが、今年はコロナ感染を防止するため、チームカーは全チーム1台ずつだけという方針になっていたのだ。
何かとトラブルも多かった今回のフレッシュ・ワロンヌ、ニュートラルサポートカーからバイクを借りたり、アンテルマルシェのチームカーからボトルを分けてもらったり、ロードレースならではの光景で見てて楽しかったですね。
欲を言えば、あのままニュートラルバイクでアレックス・ハウズが逃げ切り優勝していれば・・・
シマノカーから、チームEFのバイクを受取ったシーンもおしろかったブヒね。