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チューブラーの終焉?

チューブラーの死期は近いのか?メーカーの考えと生き残る道は?

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かつてロードレース界でプロ用決戦機材として高性能タイヤだと言われていたチューブラー。だが、近年の技術革新のせいで最近の研究ではクリンチャーやチューブレスのほうが「速い」というのが常識であり、プロトンでも少しずつチューブラーの姿は減りつつある。

だがそうはいうものの、チューブラーを使うプロチームはまだまだ多く、さきほどの記事でもPirelliが最新技術を使ったチューブラータイヤ「P Zero Race SL」を発表したことを書いたが、まだチューブラーは終わっていないとも言える。

それでも一般的な市場においては終わりつつチューブラーにタイヤメーカーがどこまで注力し、開発と販売を継続するのかは不透明。メーカー側も本音とすればもうチューブラーは作りたくないのではないか?

そしてチューブラータイヤが終わるならば、チューブラー専用ホイールも終わることになる。

今回はそんなチューブラータイヤにまつわるメーカー側のコメントをご紹介。

情報源:THE TIME OF TUBULARS IS COMING TO AN END

Shimanoの考え:新型デュラエースでもチューブラー対応するのか?

世界中をあっと驚かせた100周年記念写真集を出しても、まだ新型デュラエースは出さないShimano。ひょっとしたらジロ・デ・イタリアに合わせて・・・というのも噂として1つある。

そんな未発表の新型デュラで新ホイールが出るとしても、チューブラーに対応するのだろうか?

この点、プロダクトマネージャーJessie Gasconは、「プロチームからの要求がある限り、チューブラー用ホイールでチームをサポートし続ける予定」と述べている。

サポートを続ける・・・製造を続けるのではなく、サポートを続ける。このサポートには製造という意味も入っているのだろうか?なかなか微妙な表現だ。

ただどちらにしろ、プロチームからの需要だけがチューブラー用ホイールを作る理由と認めていると考えられる。つまりプロが使わなくなればもう作らなくなるのだろう。

Zippの考え:販売データの急速な減少と新規開発の難しさ

次にZippは、自社のチューブラー用ホイールの販売データについて、「2016年以降毎年、平均45%ずつ販売量が減少し続けている」と明かす。そして、過去12ヶ月の販売量は、5年前と比べると92%減だと述べる。

同社のプロダクトマネージャーのBastien Donzéは次のように述べる。

In those conditions, and given the trend, we will continue to examine where the market takes us. At this point, we are confident there are superior wheel and tire technologies available and so new projects for tubular wheels will be challenged.”

訳「そんな状況と世界的トレンドを考えれば、Zippとしては今後の市場がどうなるかを注視し続けることになる。現時点で確実に言えることは、すでに優れたホイールやタイヤ技術があるわけで、新しいチューブラー用ホイールの開発についてはより困難になるのではないかということやね」

Enveの考え:積極的にはもう売らない

そんなZippの考えと同じ考えをEnveもしている。

同社の製品部門トップ(VP of product)のJake Pantoneが曰く、「とにかくクリンチャー用ホイールの需要が大きい。2019年と2020年の2年で作ったチューブラー用ホイールはその8割が、プロチーム用で(または)利益なんてほとんどないビジネスのためのもの。プロチームと良好な関係を維持することや保証などの観点から作り続けるけど、積極的に販売するつもりはもはやない」とのこと。

また同人は個人的見解として、次のように述べる。

“My personal opinion is that tubulars have no future given how good tubeless rim/tire technology is. We are even seeing our professional athletes embrace tubeless; triathletes did years ago. While the WorldTour road racers aren’t quite ready to abandon the tubular, they are testing tubeless and having great results with it.”

訳「チューブラーにはもう未来はないね。やっぱりチューブレス技術がすばらしいからね。プロ選手も現在ではチューブレスを愛用してるし、トライアスロンでは何年も前からそうやった。ワールドツアーチームはまだチューブラーを捨てるつもりはないみたいやけど、実際にはチューブレスをテストしてる最中やし、その結果・評判も上々やで」

チューブラーが生き残る道

以上のようにメーカー側としても終わらせたいという気持ちがにじむチューブラーだが、たとえ転がり抵抗の数値でチューブレスやクリンチャーに負けていても、まだチューブラーが有利な点もあるようだ。

情報源記事では以下の2点が紹介されている。

1つは軽量性。昨年流行ったエベレスティングチャレンジのように1日でとんでもない標高を稼いだり、ヒルクライム特化レースでは、チューブラータイヤ&ホイールシステムの軽量性が生きることになる。

そしてもう1つがシクロクロスの泥地などのトラクションがかなり減退するようなシチュエーションでの走行性能だ。そのような柔らかい土壌での走行性能は、最高性能のチューブレスタイヤですら、コットンケーシングのチューブラータイヤには勝てないもよう。

そういった柔らかい土では、チューブレスも低圧で運用しなければならないが、その低圧での走行性能がまだチューブラーのほうが上であり、そして、そんな条件でのパンクしたときの走行性能(走り続けられるかどうか)もチューブラーのほうが上のようだ。

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