レビュー
Rapha


Enter your email address below and subscribe to our newsletter

ロードバイクによる骨密度低下のリスクとその対策について
運動不足が響いていくるようになる30歳以上の大人にぴったりの趣味といえばやはりロードバイクだ。
趣味としてのロードバイクはなんといってもその爽快感・達成感が最大の魅力と言えるだろう。
しかも単なる運動不足解消だけにとどまらず、さらにトレーニングとしての観点からも、ランニングなどと比べると膝などへの負担が少なく齢を重ねても続けやすいことに加え、心肺機能の向上や持久力強化に優れている。
しかし近年、プロ選手からホビーライダーまで共通する健康課題として「骨密度の低下」が注目されているらしい。
特に長時間のロードレースやエンデュランス競技に取り組むサイクリストは、一般の人よりも骨の健康に注意を払う必要があると複数の研究で示されているようだ。今回は、なぜロードバイクは骨密度低下が起こりやすいのか、その原因と予防策を解説した記事を紹介する。
情報源:Cycling is a Disaster for Bone Health – Here’s How to Stop your Skeleton Turning to Chalk
一般的に運動は骨を強くするイメージがある。
しかしロードバイクは例外的な側面を持っている。その理由は、自転車競技が「非荷重運動(Non-Weight Bearing Exercise)」だからだ。
ランニングやウォーキングでは、着地の衝撃が骨に刺激を与えます。この刺激によって骨は新陳代謝を繰り返し、強度を維持することはよく知られている。
しかし自転車は体重の大部分をバイクが支えているため、骨への機械的な負荷が小さくなります。その結果、心肺機能や筋持久力は向上しても、骨密度の維持には十分な刺激が与えられない可能性があるというわけだ。
近年の研究では、ロードサイクリストの骨密度低下が繰り返し報告されているとのこと。特に問題となりやすいのは以下の部位だ。
2023年に発表された研究「One Season in Professional Cycling Is Enough to Negatively Affect Bone Health」では、プロ選手として1シーズン活動しただけで骨密度が有意に低下したことが確認されているようだ。
(注意:「有意」という言葉は統計学の専門用語としての「有意(乱暴に言えば、「全く無意味とは言えないかな?」という意味)」と、非専門家である理系の研究者や経済学の専門家が使う「有意(意味がある。重要な差である、という意味)」とでは意味が全く異なる点に注意。その違いを理解せず使っている人間が大部分。今回は前者のほうの意味だと思われる。)
骨減少症(オステオペニア)を示す選手数も増加しており、トップレベルのロードレースが骨の健康に負担を与える可能性が指摘されている。
また過去の研究でも、ロードバイク乗りは同年代の一般男性と比較して低い骨密度を示す傾向が報告されていたようだ。
骨密度低下は上で述べたようなロードバイクの脚に負担がかかりにくいという特性が原因であると考えられてきたと言えるだろうが、実は近年のスポーツ医学の研究では、「RED-S(Relative Energy Deficiency in Sport)」という考えが原因として重視されてきているようだ。
これは、
という状態を意味するもよう。
ロードレース界では長年にわたりPWRを高めるために軽量化が重視されてきたわけだが、しかし極端な減量や慢性的な栄養不足は骨の再生能力を低下させ、疲労骨折や将来的な骨粗鬆症リスクを高めることが分かっている。
まうは言うまでもなく筋トレだ。特に特に効果が期待されるのは次のような種目だ。
などの高負荷筋力トレーニングです。筋肉だけでなく骨にも刺激が入り、骨密度維持に役立つ。
骨は短時間で大きな衝撃を受けることで強化されるので、飛び上がって着地するというジャンプ運動も効果的だ。例えば、
といった種目は、ロードバイクでは得られない骨刺激を補う方法として注目されているとのこと。
またロードバイク乗りならば、マウンテンバイクやグラベルバイクを持っている人も多いだろう。そうしたマウンテンバイクやグラベルでのライドは、路面からの振動や身体全体への衝撃がロードバイクと比べて大きい。
研究では、マウンテンバイク競技者の方がロードサイクリストより高い骨密度を示すケースも報告されているようなので、積極的にオフロードをライドするようにするのもいいかもしれない。
近年流行のグラベルバイクはまさにうってつけか。ライドの途中でいろんな地形を押し歩きしたりするのも骨・筋肉への刺激として良いと思われる。
骨といえばカルシウムだが、その吸収を助けるビタミンDの摂取も重要だ。
ビタミンDは別名「太陽のビタミン」とも言われ、日光によって体内で生成されるビタミンである。そのため日頃から一定時間は外で太陽の光を浴びるようにしたい。
特に冬の間はZwiftなどの屋内トレーニングが中心となりがちなので、冬でも積極的に外を散歩するなどするのが良い。
一番お手軽にできる運動ともいえるランニングも良いだろうが、こちらは下手すると膝を痛めかねないので注意が必要。近年流行りの厚底シューズならば大丈夫というわけでもない。
ランニングが悪いわけではないが、やるやらば高負荷の筋トレと同じく正しいフォームがやることが大切であるし、そしてあまり長時間・高頻度でやらないほうがいいだろう。
以上のように、ロードバイクは非常に優れた有酸素運動ですが、骨の健康という観点では注意が必要なスポーツでもあると言える。
特にレース派のガチ勢ほどロードバイクに乗る時間が増えるため日常的に、
を取り入れることが重要だ。
骨密度の低下はすぐには自覚症状が現れないが、しかし疲労骨折や将来的な骨粗鬆症につながる可能性もある。
長くロードバイクを楽しみ、パフォーマンスを維持するためにも、「脚力」だけでなく「骨力」にも目を向ける時代が来ているのかもしれません。