マチュー・ファン・デル・プールが無線なしの世界選を高評価。「本能で走れるからおもしろい」

ファンデルプールが「無線なし」のレースを支持。世界選手権の激戦は本能で走るからこそ面白いと主張

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昨夜の2026世界選手権の終盤は激しいサバイバルとシーソーゲームの様相を呈した。

→【動画追加】2026世界選手権ロードレースはアメリカのブランドン・マクナルティが終盤に独走して優勝、新世界王者に!そのレビュー、ハイライト動画、結果

独走するアメリカのブランドン・マクナルティを追う集団には、マチュー・ファン・デル・プール、ポール・セクサス、トム・ピドコック、ベン・ヒーリー、マイケル・マシューズ、イサーク・デル・トロ、マッズ・ピーダスンなどの超強力なメンバーだった。

結局マクナルティの逃げ切り優勝となり、追走はゴールスプリントでマイケル・マシューズが2位、マチュー・ファン・デル・プールが3位となった。

残念ながら銅メダルで終わったマチューだが、彼はレース中盤からずっと積極的に動き、レースを動かし続けた。まさにマチュー・ファン・デル・プールがマチュー・ファン・デル・プールたる所以を見せつけた、魅せた走りだった。

そんなマチューがレース無線が使えない世界選手権について改めてそのレースの面白さを評価している。曰く、「本能・直感で走らなければならいが、それこそが自分の本来のレーススタイルだ」。

情報源:Mathieu van der Poel backs radio-free racing after Worlds thriller: ‘You really have to race on instinct’

マチューは銅メダルも「自分が望んだレースができた」と満足感

273kmに及ぶ男子エリートロードレースで、マチュー・ファン・デル・プール(Mathieu van der Poel)は序盤から勝負が決するのを待つのではなくフィニッシュまで約90kmを残した段階から積極的に動いた。

世界タイトルには届かなかったものの、本人は自身の走りを前向きに評価している。もちろん世界王者になることを望んでいたが、それでも「自分が走りたかったレースができた」と語り、非常に力強いレースだったと満足感を示した。

実際彼は後方から始まる主要なアタックに先回りするような形で、複数の危険な先行グループに入った。ライバルの動きに後から反応するのではなく、自らレースの流れを作ったのだ。

マチューはなぜ残り90kmから攻撃を始めたのか

マチューが早い段階からレースを動かした理由は、好調な脚を感じていたことに加え、、モンレアルの登りでクライマーたちに先手を取られないためだった。

主要な優勝候補が登りで加速してから反応すれば彼にとって不利になる。そのため、強力なクライマーが本格的に動き始める前に先行し、前方から勝負することを選んだ。

レース後にマチューは自分からレースを厳しくしたかったと説明。後方の有力選手たちが牽制し、先行グループに十分なタイム差が与えられれば、そのまま勝利を争える可能性もあると考えていたと明かす。

マクナルティの独走を許した追走側の迷い

マチューが参加した複数の攻撃によってレースは細分化されたが、最終的に決定的な一手を放ったのはマクナルティだった。

マクナルティはフィニッシュまで33kmを残して精鋭グループから抜け出す。追走側にはマチューをはじめ、トム・ピドコック、ジュリオ・チッコーネ、イサーク・デル・トロ、マッテオ・ジョーゲンソンら有力選手が残っていた。

しかし、それぞれがライバルを警戒したことで追走の足並みはそろわなかった。さらに、マクナルティのチームメイトであるジョーゲンソンが相手の攻撃に反応し、組織的な追走を難しくした。

このジョーゲンソンの素晴らしい献身とアメリカチームのチームワークについては、さきほどの記事「アメリカの勝因をジョーゲンソンが明かす。2026世界選手権男子ロードレースでアメリカ優勝を支えた立役者が語るチームワークの勝利」で紹介したので読んでおいてもらいたい。

このジョーゲンソンの存在が追走集団の協調を難しくし、彼らに判断の迷いを生じさせ、決定的なアタックを生ませなかった。マチューも最後はこのアメリカチームのチームワークにはめられたと言えるだろう。

無線なしのレースの特徴

通常のワールドツアーなどのロードレースにおいて選手はチーム無線を通じて、タイム差、ライバルの動き、逃げに入っている選手、補給や作戦変更などの情報を受け取る。

一方、世界選手権では普段のようなチーム無線が使用されない。そのため、選手は周囲の状況を自分の目で確認し、誰が脚を残しているのか、どの攻撃を追うべきか、いつ勝負に出るべきかを自ら判断する必要がある。

情報が限られることで集団内の認識にずれが生まれやすい。後方の選手が先頭との正確なタイム差を把握できなかったり、どの国が追走の責任を負うのか分からなかったりするため、予想外の逃げが決まる可能性も高まる。チームごとに把握している情報が異なる可能性もある。

「本能で走る」ことがロードレースの魅力

マチュー・ファン・デル・プールは以前から無線を使わないレースが好きだと話してきた。

無線がなければ監督からリアルタイムで正解を教えてもらうことはできない。選手は集団の空気、ライバルの表情や動き、自分の脚の感覚を頼りに決断することになる。

今回の世界選手権でマチューが見せた早い仕掛けも、こうした感覚的な判断によるものだったと言える。残り90kmから攻撃する戦術はリスクを伴ったが、後方で待ち続けるより、自ら勝機を作ることを選んだわけだ。

計画どおりに管理されたレースではなく、選手の判断と直感によって展開が変化していく。その予測不能さと本能の赴くままに走るレースこそがマチューの考えるロードレースの面白さであり美しさなのだ。

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