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いよいよ今年の2021ブエルタ・エスパーニャも今日の最終日(第21ステージ)の個人TTを残すのみ。すなわち今年のグランツールの最終日でもある。
しかし昨晩の第20ステージではステージ優勝や総合優勝という観点とは別の争いが勃発した。
まずは昨夜の第20ステージのハイライト動画を。
すでに昨夜第20ステージの感想記事「ロペス怒りのボイコット!2021ブエルタ第20ステージの結果と感想」で書いたが、各所で報道されているようにミゲル・アンヘル・ロペスとチームMovistarとの間で内紛が生じたと言われている。
4) Mas procura Lopez que está lá atras de Bernal, de branco no fundo da foto. pic.twitter.com/vcU9i9KeGS
— País do Ciclismo (@DoCiclismo) September 4, 2021
昨日ゴールまで残り60kmを切ってから、INEOS Grenadiersのアダム・イエーツがプロトンからアタック。総合上位勢やその時点で新人賞2位だったジーノ・マーダーがアダムについていった。しかしイエーツのチームメイトのエガン・ベルナルはついていかず、そしてMovistarのミゲル・アンヘル・ロペスもついていけなかった。
このとき、ベルナル&ロペスのグループと先行するイエーツグループに決定的な分断が発生し、タイム差が大きく拡大していって最後を迎えた。
ロペスは総合3位で遅れ、チームメイトのエンリク・マスは総合2位でイエーツ集団についていったという形。ベルナルはもうイエーツを追う必要もなかったため、ロペスは1人でその集団を牽引するハメになった。ここからロペスの孤独な闘いが始まったわけだ。
しかし、チームの命令が彼を激怒させたようだ。次のスペインメディアの報道を見て欲しい。
→Confirmado: Supermán López se retiró, furioso, por orden de ‘parar’
ここではチームの指示として、ロペスに「前を追うな」と言ったようだ。つまりもうロペスに総合表彰台を諦めさせ、マスだけにチームは注力するということだ。この情報はロペスに近い筋から寄せられたもよう。
その情報筋は、ロペスはレース後に奥さんとも話をして、その奥さんから聞いた話を記者に伝えたようだ。もちろん伝伝聞情報なので正確性は不明だが。そして「ロペスはマスらのグループに追いつこうとしたためチームから怒られた」とも上の記事が伝える。
そしてロペスはゴールまで残り20kmを切ったところでリタイア(ボイコット?サボタージュ?)を決断することになった。
また、TVモトカメラの証言としてこんなのもある。
昨日のブエルタの終盤、ロペスはめっちゃ怒ってたもよう。TVモトカメラの証言#ブエルタ #ロードバイク #ロードレース https://t.co/2LTmxB4ere
— ロードバイクのブタ(略RBB) (@BikeNewsMag) September 5, 2021
チーム側はロペスに対してレースを続けるように(でも先行集団には追いつくな?)との説得を続けたようだが、ロペスはこれを拒絶した形になった。
レース後にロペスが発表した声明では、チームとの喧嘩には直接触れられておらず、脚がいっぱいいっぱいだったとも書かれている。しかし同時に「難しいシチュエーションだった」とも述べている。
単なる体調不良や脚の限界ならば「難しいシチュエーション」という言葉は使う必要がない。単にもう体が限界だったと言えばいいだけ。誰もがそれで納得するだろう。グランツールとはそういうものだとみんなわかっている。
しかし、そういった言葉の使用と上述のようなメディアの報道とTVモトカメラの証言などを総合的に考慮すれば、やはりチームと方針の対立があったと推認するのが合理的だろう。
さて、この内紛トラブルで気になるのは、来年のロペスの去就だ。すでに今年にロペスはチームとの契約を延長している。2023年まで残留が決定している。
→過去記事「ミゲル・アンヘル・ロペスがMovistarとの契約延長」
チーム首脳陣とスポンサーの出方次第かもしれないが、この延長契約が破棄される可能性はあるだろうか?もしそうなれば、今回のようなトラブルのあった彼を引き取るチームは出るのだろうか?
ロペスだけが悪いのではなく、チーム側にも責任はあるだろう。お互いレース中は興奮しているため、言葉のチョイスを間違え、その結果売り言葉に買い言葉ということもあるだろう。言い方次第で結果は変えられたはず。
はたしてお互いの信頼関係を取り戻せるのだろうか。
それにしても実にモビ☆スタらしいというかなんというか。モビ☆スタはたびたびこういう内部対立を生んでいるイメージ。
キンタナ、ランダ、バルベルデのトリプルエース時代も結局チーム運営(作戦運用)に失敗。
そしてこのブエルタではここまで上手くやっていたと思ったら最終日前日にこの不始末。チームのマネージメント側の問題のほうが大きいのかもしれない。
なおレース後のミゲル・アンヘル・ロペスのインタビューの詳細は下のスペインメディアに掲載されている。
→Superman López, tras su abandono de La Vuelta: “Lo único que queda es pedir perdón”