MavicとEnveの関係

これまでもMavicとEnveの経営権・所有権については何度か記事にしてきたけど、今回は簡単なまとめをメモしておこうと思う。

近年いろいろ経営的に動きがあったホイール界の雄、MavicとEnveについての会社所有権というか買収などの動きの簡単なまとめやね。個人的な備忘録も兼ねている。



Mavic



まずMavic。フィンランドはヘルシンキに本社のあるAmer Sportsに買収されて以来ずっと同社のグループにいた。同社はSalomon, Arcteryx, Wilsonなど日本でもおなじみのアウトドア・スポーツブランドを擁するグループ。

2年前に、Amer SportsはMavicの米国本部をマサチューセッツ州からユタ州へ移転させた。というのもユタ州にはAmer Sportsが所有するSalomonなどの他アウトドアブランドの本部もあったから。近いところに全部まとめようという魂胆やね。そのほうが合理的・効率的やし。

この間、 Sarah LehmanというEnveの創設者の1人がEnveのボスになり、同時にMavicの広告・営業部門のトップにも就任する。EnveとMavicのつながりが濃くなるわけやね。

しかし、Mavicの売上が微妙になっていく。2つの有望な分野を除いて全体的に将来性がないという評価がされるようになった。例外的なその2つの有望な分野とは、カーボンホイールとアパレル。特にWEB直販サービスによるそれらの営業が今後有望との評価がなされた。でもそれ以外はもうAmer Sportsにとって価値がないとの判断。

そして今年、ついにAmer SportsはMavicを手放した。それが今年。Amer Sportsの日本支社からは次のような声明が発表された。

MAVICの株式売却とサイクリングビジネスの移管に関して【2019年03月20日】お取引先/関係者の皆様平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。


Amer Sportsは、米国を本拠地とするプライベートファンドのRegentと、MAVICの株式売却とサイクリングビジネスの移管に関し独占交渉権を締結したことをお知らせ致します。
2019年の第二四半期中には経営権の移管やそれに関連する業務が完了する見込みです。


Regentの設立者でありCEOでもあるMichael Reinstein は下記のように述べています。


我々Regentは、MAVICの皆さんと共にMAVICブランドを再び発展させ、自転車業界において有力なブランドとする事に非常に大きな期待を寄せています。私達はサイクリングの愛好家としてMAVICの歴史を深く認知しており、MAVICは自転車業界において大変評価され尊敬されているブランドであると考えています。
過去数ヶ月に渡り我々はMAVICの戦略とオペレーションを確認させて頂き、MAVICの経営陣から受けた今後のビジネスの成功の為のプランを全面的に支持しています。


我々はMAVICの野心的で新しい技術やデザイン、製品や流通のチャネルなどを見直すことで、MAVICが再び自転車業界をリードするブランドになることを確信しています。


MAVICにとって日本は戦略的に重要な市場であり、今後も通常通りの業務を行い継続してビジネスを行う予定ですので、引き続きご愛顧賜りますようよろしくお願い致します。

(引用:AMER SPORTS「MAVICの株式売却とサイクリングビジネスの移管に関して」



このとおり、米国の投資会社Regentに売却された。カリフォルニア州のビバリーヒルズにある会社である。これが今年3月。

Enve



Enveは2016年に$5000万(約54億5000万円)でAmer Sportsに買収された。結果、同じグループ内でMavicとEnveという、ホイールという点でキャラが被るブランドが存在することになった。

当初Amer Sportsとしては両者の相乗作用を期待し、両者の関係を統合すべくいろいろやってたんやけど、結果として全然上手くいかず頓挫した。上述のように、Enveのボスが、Mavicの営業・広告部門のトップを兼務したりもした。

実際にはEnveの経営権はかなりMavicからもAmer Sportsからも独立してたというか、自由にやれていたらしい。だから、Enve側としてはそもそも同じグループにMavicがあろうがなかろうがどうでもよかったもよう。

ていうかそれならそれで、Amer Sportsはもっとこうなんとかしろよとも思うけど、ま、過ぎたことだからしゃーない。あまり強く言えない事情があったのかもしれない。Amer Sportsにそもそもやる気がなかった?協業させられるだけの実力もなかった?

親であったAmer Sportsそのものも買収される



しかし、買収されたのはAmer Sportsの子供であるMavicやEnveだけではなかった。両者の親であったAmer Sportsすらも、香港に拠点をもつAnta Sportsによって主導された投資グループに買収されることになった。これが8月。

というわけで、こんな一連の買収劇が世界で起こっていたわけ。

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