リチャル・カラパスのジャージがUCIルール違反？東京五輪金メダリスト用ジャージのルールについて

日本中が大熱狂した東京五輪ロードレース。ツイッターでもロードレースがトレンド上位に浮上し、世間の注目が凄いことになった。

また本場ヨーロッパの撮影スタッフや技術を投入した映像技術や、日本特有の風景を走る世界最高峰の選手たちの姿はロードレースファンの心を熱くした。人生の最初で最後の幸せな時間だったかもしれない。

その東京五輪ロードレースの男子金メダリストがリチャル・カラパス（Richard Carapaz）。昨年まではイネオスだったが、今年からはEF Education-EasyPostで走る。

そしてカラパスの新ジャージはすでにお披露目されている。それがこちら。

他のチームメイトのジャージと異なるのは、カラパスだけはビブなどのロゴが金色になっている点だ。普通のバージョンはそれが白。

カラパスのこれはなかなかいいデザインだと思うのだが、どうやらUCIルールに違反している可能性がある。

情報源：Does Richard Carapaz’s Rapha Olympic champion’s jersey break UCI rules?

UCIルールでは、五輪金メダリスト専用のジャージについては次のようなガイドラインが定められている。

1. The gold colour must seamlessly
   go around the sleeves and collar.
2. The gold color must fit the
   collar (max. 5 cm).
3. The gold piping on the sleeves
   is set to 5 cm height
4. Apply a 30mm minimum distance
   between each integration on
   the jersey (sponsors’ logos, gold
   piping, riders’ name etc.)
5. In case a rider is a former UCI
   World Champion as well as the
   Olympic Champion, the priority
   goes over the UCI titles.

UCI：UCI JERSEYS VISUAL GUIDELINES

この画像で緑色（？）になっている部分が襟と袖にあるが、この2つの部分に金色を入れなければならない。

このガイドラインに従い、通常の世界チャンピオンジャージとか五輪金メダリストジャージとかは、上ガイドライン画像のようにアルカンシェルや金色の帯のようなデザインが襟などに入っている。たとえば、前世界王者のジュリアン・アラフィリップ（Julian Alaphilippe）と現世界王者レムコ・エヴェネプール（Remco Evenepoel）のジャージを見て欲しい。

それぞれ襟・袖にアルカンシェルが帯状にデザインされている。まさにUCIガイドライン通りだ。

が今回チームEFから発表されたカラパスのジャージはこのような典型的なデザインにはなっていない。そこでUCIガイドラインに、ひいてはUCIルールに違反しているのではないかが問題となる。

そしてチームEF側によると、まだカラパスのジャージのデザインについてはUCIに説明をしていないようだ。それゆえチーム側（ウェアサプライヤーのRapha側）も、UCIから認められるかはわからない。 なお、違反と認められた場合は罰金などの制裁があるようだ。