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Rapha






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Lotto-Intermarchéのアルノー・デ・リーが、今年ジロ&ツールのダブル参戦で、低迷の2026年シーズンを強制的に活性化?
ベルギーの若きスプリンターで、Lotto-Intermarchéのエースであるアルノー・デ・リー(Arnaud De Lie)。
そんな彼は2026年の春シーズンは期待ほどの成績を残せていない。特にクラシック戦線では安定したパフォーマンスを示せず、チーム内外で懸念が広がっていた。
そのため、シーズン後半に向けた巻き返しとして、レース数を増やしコンディションと結果を同時に引き上げる戦略が検討されているらしい。
報道によれば、彼はジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの両方に連続して出場(いわばダブル)することを検討しているようだ。
ダブルといえば通常は両レースの総合優勝を狙う総合系エースについてそのとてつもない難易度とリスクの高さから話題となるものの、スプリンターでダブルというのはこれまではそうした総合系選手と比べるとあまり話題になることがなかったのではないかと思う。
ツール・ド・フランスで史上最多となる35勝を達成したマーク・カヴェンディッシュのように、そうした大きな記録がかかっているときは別だが。
ジロとツールの両方に出場することには次のようなメリットとリスクが存在すると考えられる。
特にデリーはワンデイレースや1週間程度のステージレースを主戦場としてきたため、たとえツール・ド・フランスに過去2回出場の経験があるといえども、ジロやブエルタには出場経験がなく、加えて長期のグランツール連戦への適応は未知数だ。体調不良による早期リタイアという可能性もあり得る。
この決断の背景には、チーム事情もあるか。UCIポイントによるランキング争いがチームの将来を左右する重要要素となっているからだ。
この点に関してはまさに昨日「なぜツアー・オブ・ハイナンの重要性が高まっているのか?増しつつある中国レースの存在感」という記事を書いたばかりだが、ワールドツアーの次ぐレースカテゴリーであるUCI プロシリーズの極東のレースにもLotto-IntermarchéはUCIポイントを求めて参戦していた。
降格の基準となるUCIポイントは2026~2028年までの3年間の合計ポイント数が基本であり、今チームの成績が低迷しているといってもそれが直接かつすぐに2029年に向けた審査に影響を及ぼすわけではない。
しかしできるときにできることをやっておかないと後になって切羽詰まるのは世の常である。
本来ならば昨年までIntermarché-Wantyで走っていたエーススプリンターのビニアム・ギルマイもそのままLotto-Intermarchéへ移籍していればよかったのだが、彼はNSNへ移籍してしまった。
そんな中でワールドツアーレベルでUCIポイントを着実に安定して稼げる可能性があるのはアルノー・デ・リーを含めて少数というチーム事情もあり、早急にデ・リーのコンディションを上向かせないとチームとしてもにっちもさっちもいかないという判断もあるだろうか。
アルノー・デ・リーとLotto-Intermarchéとの契約は今年いっぱいまで。すでに契約更新の交渉などは裏で始まっていると思われるが、複数の他チームも接触してきているだろうか。
彼はワールドツアーでの複数回の優勝経験はあるが、特に大きな舞台であるグランツールやモニュメントなどでの勝利はまだない。Lotto-Intermarchéよりも強いチームでそうした栄光を掴み取りたいと思っていても不思議ではない。
契約年度である今年にダブル参戦が現実化すれば、本人としては移籍を含めたなんらかのキャリアの転換点を作ろうという気持ちがあるのかもしれない。考えすぎか?