Enter your email address below and subscribe to our newsletter

アンテルマルシェが語るビニアム・ギルマイの獲得と契約

今年のアンテルマルシェとビニアム・ギルマイらの活躍の背景にあるものは?

Share your love

ベルギーのワールドツアーチームのアンテルマルシェ(Intermarché-Wanty-Gobert Matériaux)といえば、昨年の2021年シーズンからワールドツアーに昇格したチーム。チームCCC解散騒動と同チームの吸収合併を経てのワールドツアー昇格だった。みんなも当時の騒動を覚えているだろうか。

関連過去記事:Circus-Wanty GobertがチームCCCを買収、ワールドツアーチームに昇格へ

そしてその2021年シーズンはタコ・ファン・デル・ホールン(Taco Van der Hoorn)のジロ・デ・イタリア第3ステージ優勝と、それに加えてブエルタ・エスパーニャ第3ステージでのレイン・タラマエ(Rein Taaramäe)のステージ優勝とマイヨ・ロホ獲得などをのぞけば、特に目立っていたという印象はなかった。いわば弱小チームという印象。

ところが今年はそんな印象がすっかり変わった。チーム運営もこなれてきたのか、チーム戦略が確立されたのか、ビニアム・ギルマイ(Biniam Girmay Hail)の歴史を変えた活躍と勝利など、もはやかませ犬でもなんでもなく、レースの主役または準主役として走る場面が多くなっている。

いわゆるジャイアント・キリングなチームだ。

そんな同チームの期待のエースといえば、上述のビニアム・ギルマイ(Biniam Girmay Hail)。まだ22歳という若さのエリトリア人だが、今年はヘント(Gent-Wevelgem)で、そしてジロ・デ・イタリア第10ステージでそれぞれアフリカ系黒人として史上初の優勝を遂げた。歴史の重い扉が開いた瞬間だ。

では、いったいアンテルマルシェはそんなヒーローをなぜ、どうやって獲得したのだろうか?それについての記事が以下のものだ。

情報源:FROM ZEROES TO HEROES: HOW INTERMARCHÉ BECAME THE WORLDTOUR’S GIANTKILLERS

この情報源記事では、アンテルマルシェのパファオーマンスディレクターのAise Visbeekが、チームの戦略やバイクスポンサーCubeとの技術開発など様々なことを述べているが、その中でビニアム・ギルマイとの契約についての話がある。

同氏はまず、誰かと契約するときはパワーデータなどだけでなく、他の様々な点についても分析して契約を決めると述べる。思うに、もちろんチームの限られた予算とチームの戦略に適合するかどうかが最優先だろう。加えてどういったメンタルを持つ選手かも分析されることだろう。

そして同氏がアンテルマルシェにスタッフとして加入したとき、ある問題に気づいた。それは、当時のチームには、チームの将来を担う次世代の才能、若い才能がいなかったこと。

そこで彼は現実的にオファーを出せる、獲得できそうな若い選手をリストアップ。そのリストで最も上に位置づけられたのが、ビニアム・ギルマイだった。

その当時ギルマイはフランスのProTeamだったDelkoに所属していたが、同チームが予算の問題で消滅することになっていて、ギルマイの未来が宙ぶらりんになっていた状態だった。そのときのチームDelkoのゴタゴタについては以下の関連過去記事をまた読んでおいてもらいたい。

【関連過去記事】

こうしてアンテルマルシェはギルマイ獲得に照準を定めたが、1つ問題があった。それはおなじくギルマイ獲得に動くチームがあったこと。そのライバルチームは潤沢な予算とロードレース界最大のスター選手を擁するチームだった。そう、タデイ・ポガチャル(Tadej Pogačar)を擁するチームUAEだ

おそらく当時ワールドツアーチーム中最小の予算だと思われるアンテルマルシェには最悪のライバルチームだったかもしれない。

ただ結果としてアンテルマルシェがギルマイ獲得に成功。

その交渉過程でどういった話がされ、どういった経緯があたのかはここでは語られていないのでわからない。

しかし、おそらくかなり丁寧に時間をかけてチームの方針とギルマイへの待遇などを説明したのではないだろうか。そうしてギルマイの信頼を勝ち取ったのだと思われる。お金の面ではおそらく勝てなかったはずなので、あとは誠意を見せて真摯に腹を割って話し合うしかUAEに勝つ方法はなかっただろう。

そしてギルマイもチームの方針をしっかり理解し、チームにフィットした。だからこそ、今年の活躍があるのだろう。お互いにWin-Win。

おそらく昨シーズンはワールドツアー昇格直後で、チームの方針・戦略と選手の活用などがズレていたこともあっただろう。しかし1年が経過し、その反省をふまえて今年はかなりチームの運営が洗練されたのだと思われる。もちろん補強戦略も成功しているのだろう。

ただやはり最も重要なのは確立された明確なチーム戦略があることだろう。補強も各レースの作戦も全てはそれを中心にして決定されるはず。一本の太い芯がある組織はやはり強い。

はたしてツール・ド・フランスではどんな走りを見せてくれるのか。今年最も楽しみなチームかもしれない。

Share your love

Warning: Undefined array key "path" in /home/miyamaworks/bikenewsmag.com/public_html/wp-content/themes/blocksy/inc/helpers/html.php on line 6
piginwired
piginwired
Articles: 7119

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

Stay informed and not overwhelmed, subscribe now!