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心理学によるロハン・デニスの成功

情報源:How psychologist David Spindler helped Rohan Dennis win his second world title

今年、ツールでの突然のリタイアから世界選手権での個人TT2連覇を成し遂げたRohan Dennis。わざわざチームバイクであったMerida社のTTマシンから、乗り慣れたBMCのTTマシンに乗り換えての栄光となった。

当然、世界選手権でのその勝利に至るまでは本人の中でも相当のプレッシャーがあったやろう。そして周囲からの雑音もかなりのものだったに違いない。

そんな彼の成功の裏には、どうやらある心理学のスペシャリストの存在があったもよう。情報源記事は、その専門家へのインタビューを実施したもの。



スポーツ心理学の専門家David Spindler



Rohan Dennisの相棒となったのが、スポーツ選手に関する心理学の専門家David Spindler博士。この博士は、スポーツの中でも特に自転車選手を多くサポートしてきたキャリアを持つ。その博士がRohan Dennisのコーチとなった。

自己不信



このインタビューで博士が述べる、Rohan Dennisの勝利を導いた決定的な要素は、BMCのバイクではなく、「自己確信」。つまり、DennisがDennis自身を信じること。

DennisはTTなどで勝てなかったとき、周囲の期待、または自分自身による自分への期待に応えられなかったことになるわけやけど、どうしても、「なぜ勝てなかったのか」と失敗の原因ばかりを考えるようになってしまう。

博士は、それがアカンと言う。

敗北の原因を探ること自体は当然なすべきこと、しかし、「なぜできなかったのか」という思考ばかりが頭を支配する、そんな状態は絶対にアカンというわけ。それは、自分で自分のことを信じられなくなるから。

メリダとBMC



博士によると、Rohan Dennisの世界選連覇はバイクの差が本質的な要素ではないと言う。しかし、ある種の皮肉ではあるけれど、BMCのバイクだったからこそ勝てたというのも認める。どういうことか?

Dennisの連覇達成の決定的な要素は、自己確信。自分で自分を信じること。


そういった精神状態になるために、1つの道具としてBMCのバイクが必要だった。なぜなら、世界選TTで初めての世界王者に輝いたときに乗っていたのがBMCだったから。いわばゲン担ぎみたいなもんやね。それが、自己確信のための演出として必要だったというわけ。

つまり、バイクの物理的・工学的性能ではなく、Dennisへの心理に働きかける性能(影響力)、それが必要だったというわけ。思考が出口の内迷路にはまり込み、失いつつあった自信を取り戻させるための演出の1つだったわけ。



SNSの削除



博士がDennisに命じたことの1つとして、SNSの削除がある。言うまでもなくTwitterやInstagramやFacebookなどのSNSでの発言や活動は今のプロ選手には当たり前のものになっている。しかし、博士はそんなSNS活動をやめろとDennisに指示した。そしてDennisはそれに従った。もちろんこれも自己確信のための手段。

SNSをやっていると、有名選手ほど外野の騒音が大きい。批判・罵詈雑言が書き込まれることも多々ある。それが選手の心理に及ぼす影響は計り知れない。負の思考の連鎖に陥っていたDennisにとっては、それは害悪でしかない。なにより大切なのは、Dennisが自分自身を信じられる状態にもっていくこと。

だからこそのSNSの削除という指令。博士はこう言った。

“What does it mean for you personally? What are we going to do with Mel [his wife] and Oliver [his son]?” And then what does it mean when it comes to your public image and what are we going to do? Let’s just delete everything. Who gives a shit? Does the social media really matter? Let’s just have some fun.”

訳「ほんまにSNSは大事なんか?奥さんや息子と何をしたいんや?お前の社会的イメージという意味でSNSにはどんな意味があるんや?ワシらの目的は何や?SNSは全部消せ。SNSでお前にクソを投げつけてくるのはどんな人間や?SNSはほんまに重要なんか?ただ楽しむだけでええやん。なんで苦しまなアカンねん」



そして博士は、「幸せってのは全部お前の日々の生活の中にこそあるんや。それは、賢い奥さんと可愛い子供やろ。SNSに幸せなんてあらへんよ。だいたい、SNSでクソみたいな書き込みしてるのは、ただの暇なオッサンどもやろ。なんでそんな連中をわざわざ相手してやらなあかんねん」とアドバイス。

コルチゾールの最小化



博士は、科学的にいえばコルチゾールの最小化を目指した。コルチゾールとは、

炭水化物、脂肪、およびタンパク代謝を制御し、生体にとって必須のホルモンである。3種の糖質コルチコイドの中で最も生体内量が多く、糖質コルチコイド活性の約95%はこれによる。ストレスによっても分泌が亢進される。分泌される量によっては、血圧血糖レベルを高め、免疫機能の低下や不妊をもたらす。

Wikipediaより



ストレスがコルチゾールの分泌を増やす。それが増えすぎると免疫機能の低下などのマイナス面が登場する。コルチゾールを最小化のためには、ストレスの最小化が必要。

そして逆に、ドーパミンとセロトニンの分泌量を増やすことを目指した。これらの物質は精神的にええ感じにする効果があるから。勝利への意欲を高めたり、精神を安定させたりといった効果。

こういった生理的?化学的なアプローチをもツール・ド・フランス後に実施していった。

充実のサポートチーム



博士は心理学方面の専門家であって、生理学や筋トレの専門家ではない。そこでDennisのサポートチームには他の専門家も協力。 Wahooのスタッフであり、DennisのコーチでもあったNeal Hendersonや、Trinity Sports社のAndrew、そしてもちろんDennisの奥さんと子供。

みんなが一つになってDennisを支え続けた。

David Spindler博士自身もスクーターに乗って、Dennisのトレーニングに伴走。めったにそんなことはしないのに、毎日Dennisの表情、精神状態をつぶさにその近くで観察するようにした。

こういった博士のサポートを受け、ついにDennisは自分自身を取り戻すことができ、自分への自信が戻った。そして世界選手権個人TTの連覇を実現させたというわけ。

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(関連する過去記事とか、1つ前・後の記事は下のほうにあるで)
2 comments
  1. アバター
    yoshimotoya120

    なーるほどぉーーー、バイクの絶対的な性能差が要因ではなく、心理面に好影響を与えるためのBMCという選択だった、ということですか!
    SNSの件といい、博士の療法、指導はとても理に適ってるように思えますね

    1. piginwired
      piginwired

      記事には書かなかったブヒが、実は身体的データ(パワーデータなど)は今年はずっと去年を上回る数値が出ていたもよう。
      なのに、ツールまであまり勝てなかった。ではなぜか?理由は心理面やろ、というわけブヒ。
      なので、博士は心理面の充実に集中したというわけブヒ。

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